家賃滞納2ヶ月は66件に1件の割合
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/12/21
まずは、家賃滞納のデータからご覧ください。日本賃貸住宅管理協会が公開しているデータから(全国平均/賃貸住宅全体に対するパーセント)
(2012年下期のデータです。)
- 月初での滞納率・・・・・7.4%(関西圏=10.6%・首都圏=6.0%)
- 月末までの滞納率・・・・3.0%(関西圏=3.6%・首都圏=2.4%)
- 2か月の滞納率・・・・・1.5%(関西圏=2.3%・首都圏=1.3%)
※解説※
月初での滞納率は、家賃の支払いはほぼ月末に集中しています。
この月末の払いが無く、翌月の初旬にまで「家賃の支払い」がされていないものを調査した数字です。この数字は「うっかりミス」等が含まれている様ですが、その実数まではわかりません。しかし、14件に1件は発生している様ですので、意外と件数は多いと言えます。現在は、銀行振り込みや口座振替が実施されていますが、それでも上記の様な確率での出現率はあるという事です。
最初の月末まで滞納が続いているデータです。
この時点まで「滞納状態」が続いているという事は、既に「うっかりミス」等の状況は超えています。
つまり、確信犯的な滞納の出現率と言えるでしょう。正確に言いますと、滞納が始まって1カ月が経過している状況で、次の家賃の支払いとかぶる様な状況です。
家賃滞納の危険が大幅に高まって来る数字とも言えます。3%という数字ですが、33件に1件の割合では存在します。
2か月の滞納率は、更に1カ月過ぎた状況です。
ここまで来ると、家賃滞納としては深刻な状況になります。滞納が3カ月を過ぎたあたりから「賃貸契約の解除」の訴訟準備が始められる時期にもなってきます。
現実的にも「滞納状況」を解決しようとすれば、家賃の支払いも「3か月分」ほど支払う必要がありますので解消するのも非常に難しくなってくる状況です。パーセンテージでも1.5%ですから、発生率は66件に1件という割合です。
家賃滞納はどうしようもないのか?
以上のような状況です。
解説では関西圏・首都圏の差の説明はしていませんでしたが、相対的に関西圏の方が数値が高く出ています。賃貸住宅の商習慣の違いやシステムの違いはありますが、この差の原因まではわかりません。ですが、2か月以上の滞納状況の率が首都圏の2倍近いのは注意が必要と思います。
実際に、家賃滞納の事で「大家さん」に話を聞きますと、賃貸物件の管理状況もバラバラです。管理会社に一括委託をして、1日でも滞納があれば対応するケースから、昔ながらの鷹揚に構えて滞納をあまり気にしていないような、まるで家族のように付き合いをしているケースまで、大変幅広いです。
一口に滞納と言いましても、一昔の様に「大家さんと親子や親類の様に付合い」滞納しているとは言え、大家さんと日常生活でも会話や親交が存在して、滞納している借主さんも「マトマッテお金が入れば」大家さんにマトメテ返したり「付け届けやお裾分け」「掃除や修理の手伝い」など・・・。
今では「ドラマや映画でしか見かけない」姿が日本中にも沢山ありました。これは「借主さんと大家さんの信頼関係」のもとに存在していました。この様な例もほんのわずかにでしょうが存在しているのでしょうが、しかし、今は様変わりしてしまったようです。
「こまごまとした面倒はごめんだ! とばかりに、人付き合いを避ける大家さんや借主さん。」
「大家さんと借主さんが話をする機会自体が減っている。」
「大家さんが、賃貸住宅の近くに住んでいない。」
- 一括管理で、機械的に管理・・・入居者さんと会う事も無い。
- 家賃なども全て銀行振り込みや口座振替、手続きは全て不動産屋さん任せ。
- 大家さんの連絡先さえ借主さんに伝えない。
この様な「風潮」「習慣」が人同士を遠ざけてしまい、信頼関係など築く機会が無くなっています。システム的に優れていても、人間同士の関わりからは「逃れよう」としても無理の様です。このように難しい社会構造になって来ていますが、問題は問題として対処していくしかありません。
次回は「家賃滞納の対処法」について、話していきたいと思います。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
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