居住用マンションをシェアハウスに転用する際の注意点
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/12/04
居住用のマンション、簡単に説明しますと「3LDK等」の家族で普通に使う「居住用のマンション」が対象です。原則的な決まりは
「マンション住戸」・・・・・住戸の床面積=100㎡以下か、100㎡以内ごとに準耐火構造の壁等で区画されている。(自動スプリンクラー設備等を設置してある場合は、200㎡以内)マンションなので、階数制限その他の規制は下記を見て下さい。
① 住戸ごとに設置した共用部分のみの避難経路・窓先空地のみで良いとされる。
今までは、マンションの住戸ごと、部屋単位で「窓先空地」が求められていました。今回の規制緩和では「シェアハウス等」のように、共用部分のみが基準をクリアしていれば許可されるようになりました。
上図の見た目が、あまり変わって見えないかもしれませんが、各部屋単位で空地が必要とされるのとされないのでは「シェアハウス等」に使えるか、使えないかの差になります。
② 各階の住戸の数が6以下であれば直通階段は1つで良い。
住戸の数とは、玄関ドアの数を考えて頂ければわかり易いと思います。その階に存在する玄関を含めた部屋の数が6戸以下であれば、階段は1つで良いと言う事です。反対に7以上になれば、階段が2つ必要になります。
③ 各住戸内の「シェアハウス等」に利用する廊下は、両側に居室があっても良く、廊下幅の制限も無し。
戸建住宅と同じように、廊下の幅の規制や、廊下の両側に部屋が存在する事の規制がありません。つまり、出来ている部屋の状況を無理に変えたりする必要が無いわけです。もともとの「建築安全条例」には、細かく規制がありましたから朗報です。
④ 既存建築物の「シェアハウス等」への転用などの場合、やむを得ない時は寝室面積=7㎡以下でも良い。
こちらも戸建住宅と同じように、寝室面積が7㎡以下でも許可される改正が行われています。元の条例では、7㎡以下は「完全にダメ」という決まりしかありませんでしたので大きな緩和です。部屋や寝室の大きさで問題を抱えていた方は、是非、考えて見て下さい。
以上のように緩和されてきています。但し、前回も説明していますが、条例自体の説明や言い回しが分かりにくい事と、建物や敷地の状況も違う事が多いので、建築士・設計士に相談して行ってください。
この様な「条例の改正」は、いつも広報が弱めに感じます。折角の良い「条例改正」があっても、知らない人が多いのでは意味がどうなんでしょうか?皆さんも、周りの方に教えてあげて下さい。
【条例改正の意味・今後の様子】
昨年「脱法ハウス」で騒ぎになり「建築安全条例」も、締め付けが厳しくなりました。しかし、今年の4月には「手のひらを返すように」昨年の締め付けが廃止されて、反対に緩和の動きになっています。
これは「空家対策」の問題が関係しています。現在、日本中に放置され続けている空き家は、約800万戸と言われています。そして、今後も増える続ける事が間違いありません。
政府としてもこの問題を放置して置くわけにいきません。そのような中での今回の「条例緩和措置」です。
空き家問題を抱えている方々もその理由や事情は様々ですが、改善するのはチャンスと思います。人口減少・少子化問題・相続問題・・・・。実は、全ての問題がつながっている側面があります。
空き家問題は、少し前にこのブログでもお話ししましたが、今後は「ある程度の強制力」を持って行政に介入されます。事実、東京都の大田区では「放置されていた建物」が区の介入で「強制執行的に解体撤去」されたことがあります。
ですから、管理が出来ていない状態の建物ほど、この様な事が起きて来るでしょう。因みに、この件は本年の5月に行われました。そして、シェアハウス等が合法化されてきている事から、賃貸市場も競争の激化が予測されます。
・より高い希望の方には、未だに供給が継続する新築やリノベーション物件へ・・・
賃料の支払いに余裕のある方や、収入の高い方はこちらを選択するでしょう。設備や住宅が新しく満足感が高い。
・収入や賃料の上限を低めに設定する方は、従来の物件の中から選択するが・・・・
このカテゴリーの方々も増える見込みはありません。その中で、新築住宅等が増える分だけ、このカテゴリーの物件が増えて競争が激化していきます。
・シェアハウス等のカテゴリーは、まだまだ不足状態・・・・
脱法ハウスの取締り強化のあおりを受けて、それ程大きな伸びが無い状況です。但し、シェアハウスの市場の状況も「条例の改正」から時間が経てば競争の激化も想像できます。と言う様な流れが予測されます。シェアハウス等の状況に関しても、情報を適時お伝えしていきますね。
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この記事を書いた人
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