宅建業者が行う建物賃貸借契約の重要事項説明書とは
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/24
宅建業者が行う「重要事項説明書」といいますと、難しい印象を持つ方が多いのではないでしょうか?
ポイントを上手に理解して置けば、それほど難しいものでもありません。それよりも、賃貸契約の「借主さんにとって重要なポイント」を、賃貸契約の前に確認できるチャンスとしていただきたいと思います。
【重要事項説明書とは?】
この書面には、賃貸契約を予定している「対象の物件に関する事項」と「取引内容に関する事項」が説明されています。 この部分では、今まで物件を見た時に聞いていた事や、昨日まで説明された事と違っていたりしないかを注意して聞きましょう。
聞き流してしまって、署名捺印が終わった後で「聞いてなかった…。」なんて言っても、相手にされません。そしてこの「重要事項説明書」は、書面を作成するのも説明をするのも「宅地建物取引主任者」(宅建を所有する人)しか出来ません。説明の際に必ず「宅地建物取引主任者」の主任者証を提示してくれますので、確認してください。
そして、一つ注意があります。「不動産会社などが自ら所有する賃貸物件」の場合、この重要事項の説明は法律的にも必要ありません。
これは、大家さんが直接「賃貸住宅を貸す」場合と同じで、不動産業の免許が必要とされない取引になります。ですので、このパターンの場合だと宅建所有者による「重要事項説明書」がない事もある訳です。そんな場合、いきなり「賃貸契約」なんて事もあるかもしれません。
ただ、現状ではこのパターンは少ないようです。そんなパターンの場合でも不動産会社が、自分の意志で準備している事が多いようです。準備がされている場合は、上記で説明されたことを「キチンと確認」してください。
出来ましたら、こんな事項は確認しましょう。
・家賃や敷金、その他の費用の金額。
家賃や敷金が間違っていたらとんでもありません。その他、聞いていない費用などが無いか…。これはチェックしましょう。
・契約の種類と契約期間
一般的な契約の種類は「定期借家契約・普通借家契約」のどちらかであるのが普通です。一時使用契約なんて事があると、とんでもありません。通常の賃貸住宅の保護が付かない恐ろしいものでは先々困ってしまいます。契約期間も注意してください。家賃の発生日が「約束と違う」なんて事も困ります。
・賃貸住宅についている設備、付いていない設備などの確認。
クーラーなどの付いている設備は、故障などの時は大家さん側に修理してもらえます。付いていない設備は、自分が準備・設置なりをする必要があるものです。聞いていた話と違う…。など無いようにチェックしましょう。
最低限、上記の項目はチェックする必要がありますし、内容が違っていたり、間違っていた場合は直してもらいましょう。 この時点で「分からない」なんてのは無しです。疑問は全て解決してください。
万一、内容に納得できなければ「契約しない選択肢」も、もちろん有りです。今お話ししているのは、重要事項説明書の注意だけですが、賃貸契約書にも注意はあります。
次回は、その注意をお話しします。
重要事項説明書ももちろん大切ですが、貸主も借主も気持ちよく良い関係を育み続けることがもっと大事です。
そのためには直接対話していくことが必要です。部屋を貸したい人、部屋を借りたい人が集まり、コミュニケーションをしているサイトがあります。
ウチコミ!と言います。借主さんも貸主さんも一度覗いてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。