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定期借家契約とは|期間や途中解約、再契約について

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前回に引き続き、定期借家契約の説明をしていきます。こちらの契約形態は、普通借家契約とついになっている「賃貸住宅」の契約形態です。現在の賃貸住宅の賃貸契約は、まだまだ普通借家契約が多い現状がありますが、定期借家契約も今後増えて行くと思われます。

 

大家さんも、借主さんも、内容を理解して利用・活用してください。まず、この定期借家契約が出来てきた背景のお話しからしていきます。

 

【定期借家契約のできた背景】

 

前回お話ししました、普通借家契約の整備されてきた状況はご理解いただけたと思います。法律等で協力に守らないといけない状況があったわけでしたが、時代が進むにつれて強者・弱者の関係や環境も変わってきました。ごく限られた人しか持っていなかった土地や建物も、一般の人たちが持てるようになり賃貸住宅の数も多くなりました。

 

すると、マンションの1世帯だけを所有する大家さんや、転勤などで自宅を一定期間だけ貸したい大家さんという、小規模な大家さんとでも言うのでしょうか? そう言った過去には考えられなかった形が生まれてきました。 しかし、借地借家法などの法律は小回りが利きません。この「貸したいけど、自分でも使う予定がある」「決まった期間だけ貸したい」と言った要請にはなかなか答えられない状況がありました。

 

ただ、昨今の「日本の空き住戸数」や日本の状況を考えると、このままにしていると賃貸住宅の重要な資源ともいえる「空き住戸」を賃貸に活用する動きが制限されたままになります。そんなところから「定期借家契約という形態」が生まれてきました。この契約形態は、基本的に「契約更新」が無いので、大家さんが建物を取り戻しやすいのが特徴です。

 

詳しくは、次で説明します。

 

【定期借家契約とは】

 

1 契約方法は?

 

・書面による契約に限られます。

必ずしも公正証書である必要はありませんが、書面による「契約書」が絶対条件です。そして、契約書には「契約の更新が無い」事を特約などで明記する事が必要です。

 

・契約書以外にも「この契約には更新が無く期間満了で終了する事」を書面で作成し、借主に契約前に説明の上で交付することも、絶対条件です。

 

※ 上記の2点が不備だと「定期借家契約」として認められませんので、注意ください。

 

2 更新の有無は?

 

契約期間の満了により契約は数量しますので、更新はありません。

※ 大家さんと借主さんの双方が合意すれば「再契約」が出来ます。

 

3 契約期間は?

 

1年未満の契約期間も有効に認められます。

※ 但し、キチンとした期間を定めないと「定期借家契約」を定めたと認められません。

 

例えば~ 借主の転勤が決まるまで・・・。などと言うのは非常にまずいです。その期限が来るのかどうなのか全く予測がつきません。(友人間の貸し借りではありませんので)確実に来る期限、わかり易く言えば「年月日」が一番確実です。

 

4 賃料の増減に関する特約の効力は?

 

賃料の増減は、契約書に定めた特約等に従う形になります。増減させないという特約なども有効に効力を持ちます。

 

5 契約が満了する場合の通知方法などは?

 

大家さんは、契約が終了する1年前から6か月前までの「通知期間」に、借主さんに対して「契約期間満了によってこの契約が終了する旨の通知」を必ず行わなければいけません。

※ この通知期限を守れなかったり忘れたりしますと、この契約は「期間の定めの無い普通借家契約」になってしまいますので、注意が必要です。
※ 元々の契約期間が1年未満の場合は、この通知はいりません。

 

6 借主さんからの中途解約は?

 

・床面積200㎡未満の居住用の建物については、借主さんが「転勤・療養・親族の介護」等のやむを得ない事情によってその契約を維持する事が困難な場合には、中途解約の申し入れができます。この場合、申し入れの日から1カ月の経過で契約は終了となります。

 

・上記以外の場合、この契約に中途解約に関する特約があればその取決めに従う事になります。

 

※ 借主さんが注意したいのは、中途解約の特約などが無い契約の場合、最悪、残りの期間分の家賃を請求される事がありますので、中途解約の特約は付けてもらいましょう。

 

■再契約ができるのか?

 

以上の内容が、定期借家契約の内容です。もう一点、注意事項があります。

 

定期借家契約の場合、定めた機関で契約は終了してその契約を継続する場合、「再契約」を繰り返していきます。この為、連帯保証人は契約の度に契約書に署名をしてもらうか、連帯保証確約書などの書類を提出して貰わなければいけません。これは「普通借家契約」は契約自体が更新していくのに対し「定期借家契約」は、全ての契約が期間ごとに終了してしまう違いがある為なのです。

 

手続きは面倒かもしれませんが、必ずそこも押さえるようにしてください。そうしないと、連帯保証のない契約になってしまいます。ご注意ください。

 


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