なぜ賃貸で敷金と礼金を取らないのか？（敷礼ゼロゼロ物件問題）

前回のブログを読まれた方、正直「ドン引き」かと思います。これ、単に不動産会社がトンデモナイ悪者に見えてしまいますが、そうばかりは言えない部分もあります。

 

まず、システムが非常に良くありません。

 

• 借主さんはほとんどの場合、契約するまで大家さんと会う事すらない点。
• 貸主さんも同じです。
• 賃貸住宅の入居者募集状況やその条件、交渉内容までのほとんどの部分が不動産会社の独占。

 

こうなると、借主さんも大家さんも情報の出所は仲介する不動産業者だけです。どんな話であっても、裏の取りようもありません。その上、こんなシステムですから監視のしようも無いわけです。

 

更に、悪いシステムは

 

• 不動産業者が今の集客に膨大な経費がかかる様になっている。
• 営業マンの売り上げ、ノルマが多くなっている。

 

インターネットが全盛の時代になって、不動産業者も「大手ポータルサイト」何社とも広告の契約を交し一昔前に比べて、営業経費が高額になって来ています。そして、それを埋めるための営業マンに要求される売り上げも、確実に増えています。

 

だからといって許される内容ではありませんが、取引に係る情報のすべてとイニシアチブをあれだけ取れて監視もされていないと、結果こうなります。ただ、この不動産業者にとてつもなく有利に進められているシステムは、消費者に影を落としています。

 

１　敷金が少なくされ過ぎるとおきる問題。

 

今や「敷金０、礼金０」や「敷金１、礼金０」が急増していますが、これで１番徳をしているのは多分、不動産屋さんです。募集が間違いなくしやすくなります。借主さんも得している気になりますが、一時の事です。

 

礼金は別としても、敷金は滞納などが発生した場合の大家さんの担保になりますし、最終的に借主さんが退去する場合の「原状回復」の精算に使う事が出来ます。

 

今時、原状回復でそれほど大きな金額はかからないという事もありますが、何年も生活している内には間違えて何かを壊したなんて事も予測できます。

 

そんな時、実費を負担させられる借主さん。新しい住宅に転居する為にお金がかかっているでしょうから新たに捻出するのは大変です。その時の借主さんの担保になります。見て下さい。肝心の借主さんも大家さんも困ります。不動産屋さんは関係ない顔をしています。

 

２　経営しているアパートの回転率が上がり、大家さんの経営が圧迫される。

 

昔に比べると、確実に賃貸住宅の初期費用が軽くなります。すると、転居なども容易に考えられるようになり、大家さんの空室率が上がります。退去後の修繕の機会も増えて経費がかさみます。

 

通常の修繕（住んでいる方の為の）の負担が重くなります。まさに、負のスパイラルを仕掛けられたようになります。それでも、不動産屋さんは「仲介機会が増えて困らない」要になっています。借主さんは、転居すれば「仲介手数料」をまた払うわけです。と言うように、借主さん大家さん共に考えなくてはいけないところです。

 

現時点で、完璧な解決策は非常にむずかしいです。ただ、最近では既存のポータルサイトとは一線を画したインターネットサイトも出来てきています。大家さんも、借主さんもいろいろお試しください。

 

いい物件を借りる際に不動産会社さんに頼まないという方法があります。

部屋を貸したい人、部屋を借りたい人が集まり、コミュニケーションをしているサイトがあります。大家さんが自分の所有する物件を自分で掲載している賃貸物件掲載サイトです。

ウチコミ！と言います。良い条件で良い部屋を選ぶ際に使ってみてください。