家賃滞納について|回収不能?立ち退きさせる?
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/09/09
今回は、家賃滞納についてです。
「家賃滞納」賃貸経営をする大家さんにとって、家賃滞納は大問題です。大家さんの中には、修繕や改築などで銀行の借入を利用している方も大勢いますので、更に深刻です。回収できずに立ち退きが必要なんてことになったら・・・。
ただ、借主側も平気で滞納している方ばかりではありません。昨今の経済事情や、就業事情が影響している部分も多分にあります。また、既にその渦中に身を置かれている方もいるのかもしれません。
現在は、回収の対応策として「家賃保証」制度があったり、銀行の自動引き落としを採用する大家さんがいたり、審査の基準や保証人の選定基準を厳しくしたりと、いろんな試みがされています。その方法の長所・短所から現状、対応策をお話しして行きます。
■家賃滞納の実情と注意点
特別な事情でもない限り、いい大人が「契約」を交して始まった約束事が守れない。その時点で、言い訳の余地もないことです。原因も様々、性格的にだらしない事、借主のリストラなど収入状況の変化、単なる手続きミスなど理由は千差万別。
いろんなケースがあるのでしょうが、大体の家賃滞納の始まりは〜
①「ある時突然、支払日を過ぎて家賃が振り込まれる。」
最初は、ほんの数日遅れる事が始まりです。
②「次の月、その次の月と遅れが日常的になってくる。」
ですが、一応払っているので文句は言いずらい。
③「その内、遅れの日数も徐々に増えて行き、次の支払日が近くなってくる。」
こうなってくると、支払っている借主自身が、いつの家賃を払っていないのか?
分からなくなってきます。
④「遅れが月を跨ぐほど大きくなってくる。」
ここから先は、酷い場合はそのまま払わなかったり…。
という感じです。いきなり、何の前触れも無く何カ月も払わないで連絡もよこさないという家賃滞納をする方は、そんなにいません。そんな事を最初から平気で出来る方は、常習的な方だと判断した方が良いでしょう。
①〜④経緯から見えてくる事を整理していきましょう。
家賃滞納トラブルで、大家さん側が真剣に対応するのは②〜④の場面ではないでしょうか?大家さんが悪いわけではないのですが、現在の家賃収受は、大家さんがご自身で行わず、家賃回収を管理会社や保証会社などに業務委託しているケースも増えていますので、タイムリーに状況が分からない場合も増えている事も影響しているでしょう。
保証会社や管理会社の業務内での限界もありますので、問題が大きくなって初めて「明るみにでる」事もあるでしょう。
しかし、問題が発覚した時点が「家賃の2か月分を超える金額」になってしまっていると、解決するのも難しくなります。(最悪立ち退き交渉をしないといけなくなるかもしれません)解決するには、滞納分の家賃を2か月分以上(滞納分全部)を一括で支払う必要があります。
更に、次の家賃支払いも程なく訪れるでしょうし…。分割払いというわけにもいきませんし…。結局、何処からか(金融機関や親族?)都合して来るしか無いでしょう。
この段階ですと、話は簡単にはいきません。ただ単に、電話などで「○○月△△日までに、全額ふりこんでください!」と言うだけでは、その日が来ても、何も解決していない。となるだけでしょう。
そこで、①〜②の間に手を打った方が解決し易い事がわかります。ただ、かなり早めの対応になるので、大家さん側が「気おくれ」気味になるのも理解できますが③〜④の段階の状態を考えれば、若しくは、滞納・立ち退きで苦労した経験を持つ大家さんでしたら、ご理解頂けると思います。
極端な話、期限の日時を1日遅れただけでも「お家賃の振込が確認出来ていないのですが…。」「すいません。お家賃の振込は、いつ済ませましたでしょうか?」などと、あくまでも確認の形で連絡を入れるだけでも、十分な抑止効果があります。
また、①〜②の状況は、それほど多くの事案はないはずなので、その状況が起きた場合に注意や注視を始めて、状況に応じて早めの対処をする事で、大きな問題になる事を予防できます。
次回は、今の対応策となっている家賃保証やサブリースの影響や効果などの話をします。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
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この記事を書いた人
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