何故「一般媒介」で契約する業者がいるのか?
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/03/19
以前配信したメールマガジン内で「一般媒介契約」の落とし穴についてご説明しましたが今回は、「何故あまりメリットのない「一般媒介」で契約を行う不動産業者がいるのか?」についてお話ししたいと思います。
「一般媒介契約」のほぼ99%が、売主さんからの希望
不動産業者側からすると、どんな場合でも、専属、専任媒介契約を結びたいという思いがあります。一般媒介契約を行った場合、売り主であるあなたは恐らく複数の不動産業者へ依頼することになるかと思います。
しかし、不動産業者からしてみれば、自分たちと同じようにあなたと媒介契約を結んでいる不動産業者が沢山いるということにデメリットを感じるでしょう。そして、真剣に物件の売買のお手伝いをしようとしないケースが非常に多いのです。
どういうことかと申しますと、例えば、物件の状況確認をする為には毎回、売主さんであるあなたに直接連絡をしなければわからない上に、連絡が取れなければ問合せを頂いている顧客に対しても返事ができず、また、いつその物件が無くなってしまうかもわからない。。。そういったトラブルも実際に起こります。
その他にも様々な面で非常に扱いにくいという側面があるのが一般媒介契約です。
事実、この「一般媒介」という形態で不動産業者が契約を結ぶのは、あくまでもこれから何かの機会に専属や専任媒介に切り替えるチャンスを狙っているだけの事が多く、「一般媒介契約」のほぼ99%が、売主さんからの希望で契約しているケースが殆どなのです。
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「一般媒介契約」が決していけない訳ではありませんが、売り主であるあなたが期待している効果(早期販売、納得のいく価格での販売など)がないとしたら・・・!?
わかりやすく、一つの例でお話ししましょう。
例えば、今ここに2,000万円が相場の中古住宅があったとしましょう。持ち主の方は、周りの相場などに詳しい訳ではなく、一般媒介契約の方が自由に何社にも頼めるから有利だろうと考え、一般媒介契約を行い、不動産会社5社に頼んだとします。
売却金額は2,500万円でと依頼しました。ここで、どんな事がおきるか?
どの不動産業者もプロですから、このままでは売れない予測は立てられます。実際500万円も相場より高ければ反応もほとんどないかと思います。下手をすると、5社とも広告物件として使う事もせず、更には不動産流通機構のサイトにも登録すらせず、完全に放置しているかもしれません。(一般媒介契約は不動産流通機構のサイトへの登録は義務化されておりません)
※不動産流通機構のサイトとは、「全国宅地建物取引業協会」が主催する共同組合の運営による、不動産業者の為の物件サイトで、日本全国の物件に対応している、果てしなく大きな物件サイトです。このサイトは当然、全ての不動産業者が毎日のように新着の物件情報を閲覧していますので、サイトに登録された方が多数の不動産屋から探される可能性があるので有利。
そんな状況があったとしても、契約した売主であるあなたは、それを知るすべはありません。
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不動産業者のメリットは?
一見放置するのならば、不動産業者にとっても一般媒介契約はメリットがないように思いますが、実はあるんです。ここで示した一例は、決して特殊なお話ではなく、どちらかと言えば良くある話ぐらいの頻度で起こっています。
基本的に、相場より500万円も高い物件ですから、すぐにお客様は付きません。もっと相場に近い金額でなければ広告・営業などの活動をしても、回収の見込みが立ちません。
それを放置するのは、市場の反応がなく、時間が経過すれば売主さんも値段をさげる判断をしてくれるのでは? という誘因を、売主さんに行います。もちろん、不動産流通機構のサイトへの登録の有無など一切説明はしません。
そんな事では、売主さんに信用されないのでは?
そこは、不動産業者もただ放置としている訳ではありません。機会がある度に、お客さんを連れて物件を見にいきます。
えっ!どうやって?
と思うでしょうが、相場より高い物件は、不動産業者が本当に勧めたい物件の当て馬の様にして使うことができるのです。
例えば次のように。。。
不動産業者>
「この周辺は、このような中古物件ですら2,500万円もするんですよ!」
「ですので、先ほどご覧いただいた2,000万円の物件(不動産業者が本当に売りたい物件)は、お買い得ですよ!」
という具合です。
それでも、会話の内容を知りえることのない売り主であるあなたにとっては、不動産業者が「お客さんを連れてきた!」となりますから、それを重ねておけば、感謝される訳です。酷い話ですが本当に行われていることなのです。
こんな売り方をされているのであれば、何人お客様を連れてきたところで絶対売れるわけがありません。でも、売主さんから見たら、あの業者さんは真剣に頑張ってくれている。と思ってしまうことでしょう。すると、その不動産業者さんの言っている意見は聞いてしまう。
不動産業者>
「もう何人も連れて来ていますが、なかなか決まりませんね~!物件の売却価格をもう少し下げれば売れるかもしれませんよ」
なんて言われたらどうしますか??もう何か月も売れず、早く売りたかったら。。。結果、その業者さんの術中です。値段を下げて、専任媒介契約に切り替えて。。。これだけとお思いですか?
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「一般媒介」を結んでいる不動産業者は、普段どういう行動を取っているかご存知ですか?
例えば、一般媒介契約を結んでいない同業である不動産業者が、その物件を問合せた際に、具体的なお客様がいない問合せだったりすると物件の住所を教えない。。。なんて事を日常的に行ってます。売主さんにしてみれば、完全な「機会損失!」
なんで、そんな事をするの?
この業界の病んでいる部分でもあります。要するに、物件の住所を同業他社に教えてしまうと、その不動産業者が売主さんの所に「うちにも売らせてください!」などと営業をかけられてしまう。という恐怖からです。
お客様にキチンと説明もせず、いい顔をして、さも努力をしている様に見せて、自分たちの都合のいい方向に誘導する。本当の売主さんの要求は、売り物件の情報を広め、出来るだけ早く、出来れば少しでも高く売りたい。。。という事ですよね。
あなたの媒介契約は大丈夫ですか?
【「一般・専任・専属専任」媒介契約記事まとめリンク】
不動産売買の媒介契約について
「一般媒介」という契約形態の落とし穴
専属よりも専任媒介契約が選ばれる理由
不動産業界の「闇」についてのお話し
不動産業界の「闇」についてのお話し その2
不動産業界の「闇」!
「不動産の売却」を成功させる賢い4つのポイント
今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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