だれも手が付けられない不動産業界の「構造悪」とは?

ブラックボックス

業者や営業マンが悪徳というわけではない

これまでの連載で筆者は、折に触れて「ブラックボックス」という言葉を使ってきました。

たしかに、みなさんがうすうす感じているように、まさに不動産業は売主と買主の立場は明確に見えていても、仲介業務の関係は複雑であり、ブラックボックスの中にあるのです。みなさんのような個人の買主はもちろん、個人の売主にも具体的にはよくわからない手法で、取引が行われています。

そして、そこには消費者と業者の間の圧倒的な情報量の差が生まれているのです。私はかつてマンションや戸建ての売買に身を置いてきたからわかることですが、その情報量の差は、消費者が1とすると業者が99、いや、それ以上の差があるかもしれません。

加えて、政府・行政が行っている100年住宅構想をはじめとした補助金などの施策も、このブラックボックスを開けることなく、売主や買主に投入されています。つまり、業界のブラックボックスの中には、だれも手をつけられないでいるのです。

売主だろうと買主だろうと「蚊帳の外」にすぎない

そのブラックボックスには、ブラックボックスであることに違和感を覚えない業者や営業マンがいます。彼らの行っている取引や行為が悪徳であるわけではありません。そうではなく、業界全体が「構造悪」に満ちているのです。

本連載は、2012年9月10日刊行の書籍『不動産屋は笑顔のウラで何を考えているのか?』からの抜粋です。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事のコラムニスト

大友健右
大友健右(株式会社総研ホールディングス代表取締役社長)
株式会社総研ホールディングス・株式会社アルティメット総研・株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役社長。1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。
ウチコミ!創設者
大友健右は収益物件の個人間直接売買ができるプラットフォーム「ウチコミ!」の創設者です。