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安い引っ越し、楽な引っ越しのコツ

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引っ越し―――まとまった出費と重労働

モノやサービスの値上がりが続く昨今、節約のための工夫に日々悩んでいる人も多いことだろう。2021年の後半から始まった現在の物価上昇も、その後3年を超え、間もなく4年目に入ろうとしている。

そうした中、予期せずその機会が訪れたり、予定通りにやって来たりするのが「引っ越し」だ。家計の大きな負担となるまとまった出費のひとつであり、なおかつ、重労働が集中しがちなイベントともなる。

この記事では、そんな引っ越し費用を安くするためのコツ、少しでも楽にするためのコツをいくつか紹介していきたい。

1.繁忙期を外す

多くの人がご存じだろう。引っ越しには1年に1度の繁忙期が存在する。転勤や入社、入学などが集中する3月と4月だ。料金が高くなりがちなだけでなく、作業予約そのものが取りづらくなる。下記リンク先にて、国土交通省も必死に(?)呼びかけているとおりだ。

国交省 引越時期の分散に向けたお願い

とはいえ、この時期の引っ越しがどうしても避けられない人も多いはずだ。だが、避けられる人はぜひ避けよう。わざわざ混乱の渦中に飛び込む必要はない。

なお、3月、4月に加えて、もうひとつの繁忙期といわれる9月、10月については、上記ページにある国交省のデータを見る限り、さほど目立って混雑するとはいえないようだ(参考資料1.大手引越事業者の月別引越件数 を参照)。

それでも、企業の人事異動は4月のほか10月にも確かに増える。一応、意識はしておこう。

2.月中(つきなか)、平日を選び、時間にこだわらない

1年の中での繁忙期だけでなく、ひと月の内、さらに1週間の内にも引っ越しが増えたり減ったりする波があるとされる。こんなかたちだ。

  • 月末・月初 ――― 引っ越し件数が増えやすい
  • 週末・連休 ――― 同上

よって、これらを避けることで、安い料金を引き出せる可能性も高まってくる。

さらに、作業時間を指定しないいわゆる「フリー便」を選んだり、荷物の搬出や搬入が午後から始まる「午後便」を選んだりすることで、コストを下げられるケースも少なくない。

―――なお、以上1と2は、一般的な「引っ越し業者」に作業を依頼する場合のコツとなる。

3.家財、荷物を少なくしておく

次に、引っ越し業者に作業を頼む、頼まないにかかわらず、心掛けておくとよい事前の準備についてだ。(引っ越し業者に頼まない引っ越しについては、続く「4」以下で説明する)

通常、運ぶ家財や荷物が多いほど、引っ越しにかかるコストは上がっていく。前後の作業も量が増え、しんどいものになりがちとなる。

それをなるべく避けるためのコツ、運ぶ物を少なくしておくことだ。

たとえば、不要な家具や、そろそろ買い替えたいと思っている家電などは、引っ越し前に手放してしまう。新たな購入は引っ越ししたあとに行う。

布団や衣類などもそうだ。次のシーズンは新調を予定している冬布団一式を春や秋の引っ越しの際にわざわざ新居に持って行くこともないだろう。

さらには、もう読まないであろう本、使わないであろう道具等々。

そうした「手放すべきモノ」をタイミングを見計らいながら、売ったり、ひとに譲ったり、捨てたりしながら、事前に減らしておくことで、引っ越しをスリムなものにする。

コストが下がる可能性が増すのとともに、作業は確実に楽になるはずだ。

フリマアプリやネットオークション、中古品譲渡サイトといったインターネットを利用した手段のほか、リサイクルショップ、自治体の粗大ゴミ回収など、さまざまな方法を適宜組み合わせるとよいだろう。

4.自力で引っ越す―――ただし注意点も

一方、こちらは昔からある引っ越しを安く済ませる方法だ。業者に頼まず「自力」で作業を完結する。

たとえば、小型トラックやワンボックスワゴンなど、積載力のある車をレンタカーで手配し、自ら運転する。なおかつ、友人や家族を助っ人に呼び、力仕事を手伝ってもらう。

あるいは、それらの車の運転に慣れた仲間にハンドルを預け、本人は物の持ち運びといった選択肢もあるが、いずれにせよ、移動距離や車を借りている時間など、条件さえ整えば、費用を抑える効果は抜群といえるだろう。

ただし、このやり方にはリスクもある。

ひとつは、事故・損害への補償だ。たとえば、正規の引っ越し業者ならば、スタッフにミスがあればもちろんその責任は負う。そのための保険にも通常加入している。

一方、自力の場合はそうはいかない。万が一の際は、さまざま面倒なことや、人間関係上気まずい問題も起きかねない。

なおかつ、素人が作業するだけに、家財、建物の破損など、そもそも事故が発生しやすい。ケガも生じやすい。

そのほか、大勢来てくれた友人にお礼を振る舞ったところ、「レンタカー代と合わせてかえって高くついた」と、いった話もたまに聞かれるところだ。

5.宅配便を活用する

引っ越しに宅配便を活用することで、コストを下げたり、作業を楽にできたりすることがある。主に、運ぶ物が少ない単身者などでこの方法は上手くいくことが多い。

たとえば、荷物の多くをダンボール詰めにし、宅配便で発送。残る家具や家電は引っ越し業者に頼んだり、あるいは、同じ宅配業者の家財運搬サービスに申し込んだり。

各事業者の料金表やプラン、さらには見積もりを睨みつつ、組み合わせを工夫しながら「おトク」な線をねらっていくやり方だ。

なお、その際は、費用のかさみやすいダンボール詰めできない家具や家電の数が少なく、サイズも小さいほど、成功率は高まることになるだろう。

なおかつ、宅配便では、荷物の到着日時を指定できるので、これを利用することで引っ越し先での作業を楽にできたりもする。(指定可能な期間の幅については業者により差がある)

すなわち、早く荷ほどきしたいものと、そうでないもので到着日をずらすといった方法だ。余裕をもった作業に役立てられるだろう。

6.宅配型トランクルームを活用する

宅配型トランクルーム、宅配収納サービス―――などと呼ばれる業態が、昨今かなり知られるようになってきた。

普段使わない物などを預けて保管しておく倉庫と、荷物の出し入れや運搬を代行してくれる宅配便サービスが組み合わさったものとなる。

利用者は、自宅から一歩も出ないでいい。預けたい物を用意された箱に詰め込むだけだ。

その上で、スマートフォンアプリなどから業者に連絡すれば、宅配便のスタッフがやって来て、荷物を運び出してくれる。その分家の中にスペースを作り出せるわけだ。

さらに、預けた物が必要になれば、今度は出庫・配送を申し込む。すると、やはり宅配便スタッフがそれをスピーディーに持って来てくれる。

そこで、引っ越しにこれを利用する場合だ。

たとえば、当面使わない物から順に箱詰めし、発送していく。倉庫に預けてしまうのだ。それにより、引っ越し荷物を少なくする。

引っ越し後は、荷ほどきする順番などを考えながら、好きなタイミングで預けた荷物を新居に届けてもらう。

こうした便利な仕組みを引っ越し業者の利用と組み合わせるなどすることで、コストを下げたり、楽な引っ越しを実現したりする人が、近ごろ見られるようになってきた。

普通に引っ越し業者のみを利用する場合と比べ、サービスの使い方によってはコストは下がらず、上回ることもあるだろう。それでも基本として作業には余裕が持てる。

季節物はそのままシーズン到来まで預けてしまうなど、サービス本来のかたちと併用する工夫も考えられるだろう。

よく調べる者が引っ越しを制す

以上、「安い引っ越し、楽な引っ越しのコツ」と題して、この記事では6つのヒントを読者へ伝えた。

なお、引っ越しで大事なのは、とにかく事前によく調べることだ。

たとえば、専門の引っ越し業者にしても、宅配便にしても、宅配型トランクルームにしても、どの会社がどんなサービスやプランを用意しているのか、実際にどんな見積もりを出してくるのか。

それらをインターネット上の「一括見積もりサービス」のような仕組みも使いつつ、できる限り調べ、比べて、相場も掴んでいく。そのことで、引っ越し成功の可能性は着実に上がることになるだろう。

その点、引っ越しは葬式選びとよく似ている。

それが必要な事態に急に直面し、慌てることが多いイメージの両者だが、あらかじめちゃんと調べておけば、落ち着いた対応は十分に可能となる。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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この記事を書いた人

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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