物件探しの前に作成しておきたい希望条件リスト
細山勝紀
2016/01/04
希望条件を明確にする
物件探しを始める前に、自分はどんな物件に住みたいのか、希望する条件をはっきりさせておくことが大切です。希望条件を的確に伝えられれば、不動産会社でも紹介がスムーズに進み、希望の物件が見つけやすくなります。まずは基本条件の希望とその優先順位を決めることから始めましょう。
物件探しで必要な基本情報とは
物件を探すときの基本条件としては、家賃、エリア(沿線、駅)、間取り、引越し時期、建物構造、周辺環境、築年数、初期費用、最寄り駅までの距離などがあげられます。
(1)家賃について
まず家賃の設定について。できればこれくらいにおさめたいという希望金額と、条件によってはこれくらいまで払ってもいいという上限金額を設定しておきましょう。
ただし、物件を探す時は上限金額ではなく希望金額で探すようにします。どうしても希望の物件が見つからない場合や、希望金額より少し高くても希望条件に近い物件を紹介されることがありますので、その時のために設定しておくのが上限金額です。エリアや部屋の広さは多少条件を変更することはあっても、金額の上限は決めた金額を変更しないようにしましょう。
(2)エリアについて
エリアについては、『◯◯駅』と限定せずに、『京王線の◯◯駅から◯◯駅の間』などと、ある程度幅を持たせて条件を設定しておくといいでしょう。希望条件に合った物件が見つからない場合は、エリアを広げて探してみることも大切です。
また、最寄り駅までの距離は、家賃に大きく影響する条件になります。徒歩5分以内で希望の物件が見つからない場合でも、15分以内にすると該当する物件がかなり増えるので、自転車やバスを利用することを許容すれば、かなり選択肢が広がります。
(3)間取り
部屋は広さだけでなく、収納も部屋の広さに関わる重要なポイントです。どれくらいの荷物があるのか、どの程度の収納が必要なのかあらかじめ把握しておきましょう。
条件リストを作成しましょう
それでは、以下の手順で条件をリストアップし、条件リストを作成してみましょう。
●手順1 現在の収入と照らし合わせて支払い可能な家賃を設定する
家賃は収入の3割以下にするのが一般的な目安となっています。無理のない金額設定をすることが大切です。
●手順2 希望のエリア、沿線(駅)などを決める
通勤通学にどれくらい時間をかけられるのか決めておきましょう。
●手順3 間取りや広さ、周辺環境などの基本条件を決める
部屋の広さを決める時はどんな家具をどれくらい置くのか、どれくらいスペースがほしいのかイメージしておきましょう。コンビニや24時間営業のスーパーなど、周辺環境の希望条件がある場合は必ず確認しておきましょう。
●手順4 あったらいいなという希望条件をリストアップする
オートロック、エアコン、防音、インターネット回線、室内洗濯機置場、バルコニーなど設備の希望条件。バストイレは別がいいという場合や、自転車やバイクに乗る人は駐輪場の有無など、必須の条件がある場合は忘れずに確認しましょう。毎日の生活なので日当たりや階数の条件なども大切になってきます。
●手順5 リストアップした条件に優先順位をつけていく
100パーセント希望通りの物件というものは見つかりません。賃料が安いほうを優先するのか、部屋の広さを優先するのか条件の優先順位を決めておきましょう。どんな家でどのよう生活したいのかイメージがあると優先順位を設定しやすくなります。ここで妥協できる条件とできない条件をはっきり決めておきましょう。
物件選びで迷わないために
条件リストが作成できたら、実際に不動産会社を訪ねて物件探しをはじめましょう。いくつも物件を見学すると、どの物件が一番条件に近いのか迷ってしまうことがあります。そんな時は物件ごとに満たしている条件を書き出してみましょう。
優先順位の低い条件をたくさん満たしていても満足度はそれほど高くなりません。優先順位の高い条件をどれだけ満たしているかがポイントになります。優先順位の高いもの、中くらい、低いもの、どの条件をどのくらい満たしているかをわかりやすくすると判断しやすくなります。
まずは条件に優先順位をつけたリストを作成して、物件選びで大切にしたいポイントを明確にしましょう。後悔しないお部屋選びのために希望条件をじっくり考えることが大切です。
この記事を書いた人
株式会社ストーンズ 取締役社長
一般財団法人日本不動産コミュニティー認定 不動産実務検定講師、1級建築施工管理技士、宅地建物取引士。 1978年、神奈川県出身。武蔵工業大学(現・東京都市大学)建築学科卒業。大学卒業後、安藤建設株式会社(現・安藤ハザマ)に入社。主に賃貸物件の施工管理・企画営業に従事。2006年、賃貸管理業務に特化し地域に根ざしたサービスを展開しているストーンズに入社。10年より社長に就任し、現在に至る。 10年よりシェアハウス事業に参入し、12年シングルマザー向けシェアハウス『ペアレンティングホーム高津』を、一般社団法人ペアレンティングホームと共同企画してオープン。全国でも珍しいシングルマザーに特化した子育て応援型のシェアハウスとして、多くのメディアに取り上げられる。そのほかにも、川崎市を中心として多数のシェアハウスを運営し、13年5月に著作『賃料収 入が2倍に!?申込殺到!のシェアハウスの作り方』を刊行。