パリに部屋を借りるための契約と手続き
桑田 唯
2016/01/04
物件が見つかったらまずは問い合わせを
借りたい物件が見つかったら、まずは問い合わせフォームから連絡をします。空室確認や質問の段階では紹介手数料は発生しません。
問い合わせをすると担当者からメールで連絡があり、入居希望日は前後に調整可能か、語学力はどのくらいあるか(意思疎通やメールなどできるか)など聞かれました。また、これまでの経歴や現地での活動についても聞かれました。これはオーナー側に伝える必要があるようです。
メールに返事をする際に、私からも物件について質問してみました。私が借りたいと思った部屋はトイレが共用だったので、男女別れているのか、トイレはきれいか、掃除の頻度や誰が掃除するのか、などトイレに関する質問が多くなってしまいました。トイレの写真も送ってほしいと伝えたのですが、それは残念ながら送ってもらえませんでした…。
ユーロエステートに紹介手数料を払う
どんな部屋なのか、物件についていろいろ質問をして問題なしと判断できれば、部屋を押さえてもらいます。この段階で、ユーロエステートに紹介手数料を払わなくてはいけません。紹介手数料は滞在する期間で決まります。私の場合は1年滞在予定だったので、750ユーロでした。(ユーロエステートには2つプランがありますが、日本から契約する場合はもれなく「らくらくプラン」というプランになります)。
紹介手数料は約10万円! 正直高いなと思いましたが、もし現地で物件を探すとなると、2週間くらいはホテルに滞在する必要があるので、必要経費だと思うことにしました。
手数料を払うと、物件を無事確保したとの連絡をいただきました。また、パスポートのコピーを送るよう言われたので、スマホで写真を撮って送りました。
契約書にサインをし、敷金と家賃を振り込む
部屋を押さえてもらったら、いよいよオーナーさんと契約です! ユーロエステートは、オーナーさんと入居希望者の間に入ってくれますが、あくまでも紹介するだけなので、実際の契約は入居者とオーナーの間で直接交わします。
紹介料を振り込んで10日ほどすると、メールで契約書のPDFが送られてきました。契約書はもちろんフランス語です。A4で7枚もあったので読むのが大変でしたが、不備があると困るのでしっかり読んでおかなればなりません。私も頑張りました。
契約書に特に問題がなければサインをします。海外の書類にサインをするのは初めてだったのですが、サイン以外に、各ページの右下に自分のイニシャルを記入するよう言われました。これには、「すべてのページを読みました」という意味があるそうです。
また、1カ月目の家賃と敷金の振込も、契約書と同じタイミングで行ないました。私はゆうちょ銀行から外貨送金をしましたが、Paypalの口座を持っているオーナーさんであればPaypalでの支払いにも対応してくれるかもしれません。外貨送金は手数料が数千円かかってしまうので、Paypal支払いを確認してみるとよいと思います。
入居日の待ち合わせの時間を決める
契約が済んだら、入居日当日の待ち合わせを決めます。こちらの飛行機の到着予定時刻を伝え、待ち合わせ時間を向こうで決めてもらいました。私の場合は、待ち合わせ時刻にアパートの前に集合するということになりました。また、このタイミングでオーナーさんの連絡先なども教えてもらいます。これで、アパートに入居する準備は完了です。
さて、ユーロエステートにはとてもお世話になったのですが、対応が少し頼りなく感じる場面もあった、というのが正直な感想です。
たとえば、私の物件は、もともと私の渡仏予定日から1週間後の入居が可能ということだったのですが、もしかしたら入居できる日が早まるかもしれないという話があったんです。私の渡仏予定日は7月初旬で、その入居可能日が確定するのは5月末か6月ということだったのですが、6月中旬を過ぎても連絡がなく、こちらから催促をしたらようやく6月25日頃に回答がありました。
もし渡仏の日に入居できないのであれば、ホテルなど押さえないといけないので、まだわかっていなかったとしても何かしら連絡がほしかったところです。ただ待つのではなく、自分から積極的に動かないとなりませんね。
また、お部屋の情報に関しても、備品のリストがほしいと伝えても、「リストはない」といわれてしまい対応はしてもらえませんでした(本当におおざっぱなものはありましたが)。実際に部屋に着くまで、何があって何がないのかわからなかったので、そのあたりをもう少し充実させてほしいところです。前の住居者が部屋や大家さんの対応について感想などを書けるレビュー機能があると、そういう情報も補完されて、不安が軽減されそうですね。
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。