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契約の結び方とチェックポイント(1/2)

リフォーム工事の契約書は必ず作成しておこう

森田祥範

2016/03/21

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工事前にはかならず工事請負契約を結ぶ

 ちょっとした修理や修繕など、10万円以下の小さなリフォームの場合は、図面や契約書を作らずに工事が行われるケースも多いようです。図面や契約書の作成を煩わしいと考える業者が、まだまだ多いからです。

 しかし、図面や契約書を作成しないまま、口約束だけでリフォーム工事を依頼するのは、あとあとトラブルの原因になります。その工事が、施主(注文者)か業者(請負者)のどちらかにとって不本意な形で終わった場合、「言った」「言わない」の水掛け論に発展し、責任の所在がわからなくなるからです。

 施主からすれば、リフォームは決して安くない買い物。また、あなたの住まいにとっても、リフォーム工事は一種の履歴になります。たとえ10万円以下の小規模なリフォームであっても、施主と業者との間で、契約書(正しくは工事請負契約書といいます)をきちんと取り交わす必要があります。その際、フリーハンドで描かれたものでもいいので、工事箇所と工事内容がわかる図面を作ってもらいましょう。

 リフォーム工事後に欠陥や不具合が見つかった場合、契約書と図面や見積書が残っていないと、その工事のどこに問題があったのか、原因究明できなくなります。逆に、契約書と図面や見積書が残っていれば、契約書の内容と異なる工事が行われていた場合、業者の責任を追及できるし、契約書に保証内容が明記されていれば、無償修理などの保証を受けることができます。

 契約書と図面の作成を嫌がる業者とは、リフォーム工事を契約しないようにしましょう。

工事請負契約書の構成要素

 リフォーム工事で一般に“契約書”といわれる工事請負契約書は、次のような項目(要素)で構成されています。なお、工事請負契約書は同じものを2枚作成し、1枚を施主(注文者)が、もう1枚を工事業者(請負者)が保管します。契約後に別の書類が作成されないよう、割り印を押すのが一般的です。

(1)印紙貼付欄
 印紙税法の規定により、請負契約書には収入印紙を貼付しなければなりません。そのため、契約書には印紙添付欄があるのが普通です。

 収入印紙の税額は工事費用により、異なります。
 
工事費1万円以上100万円以下……200円
    100万円超200万円以下……400円
    200万円超300万円以下……1000円
    300万円超500万円以下……2000円
    500万円超1000万円以下……1万円
    1000万円超5000万円以下……2万円

 ちなみに、工事費1万円未満は非課税です。

 仮に、収入印紙を貼り忘れても、契約そのものは有効です。ただし、発覚した場合は印紙税法違反となり、通常の2倍の税が加算して徴収されることになります。

(2)工事名称と期間
 工事名称は、たとえば「青木邸外壁塗装工事」のように書かれます。その下に、青木邸の住所が記入されます。
 
 重要なのは、次の工期です。たとえば、「工期:平成28年4月1日より平成28年4月21日まで」のように、始まりと終わりの日付が明解かつ正確に記入されていなければなりません。

(3)注文者名と請負者名
 注文者(施主)の氏名・住所、請負者(業者)の会社名や氏名・住所が明記され、契約書2枚にそれぞれ押印が必要です。

(4)請負金額
 工事代金総額が記入されます。見積書と合っているかどうか、消費税額も含め、確認が必要になります。

(5)工事内訳
 工事内容が複数に及ぶ場合、たとえば「外壁塗装工事」であれば、「足場架設工事・屋根塗装工事・外壁塗装工事・その他の工事・諸経費」などが列挙され、それぞれの単位(㎡、時間など)、数量、工事代金が記載されます。

(6)請負条件・添付書類
 たとえば、「工事用の電気・ガス・水道は注文者宅のものを使用させてもらうこと」や「壁の中など見えない部分の状態によって工事内容・金額に変更の可能性があること」などの請負条件が書かれます。納得いかない場合は、業者とよく話し合う必要があります。

 また、契約書に「工事請負契約約款」「見積書」「工程表」「設計図面」「仕様表」などが添付される場合は、その旨が明記されます。

(7)支払い方法
 工事代金の支払い方法が明記されます。たとえば、「前払金 金216,000円(税込)」「竣工払(工事完了確認後10日以内) 金540,000円(税込)」のような表記になります。金額と支払期限の確認が必要になります。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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