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リフォーム予算と費用の賢い決め方(12)

屋根のリフォームにかかる費用は?

森田祥範

2016/02/12

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カラーベスト(スレート)葺き替えは111万円〜

 一戸建て住宅の屋根には、大きく分けてスレート(セメント)系、金属系、粘土系があります。

 ここ30年ほどの間に、屋根材として急速に普及したのが石綿スレート瓦です。特によく使われるのが「カラーベスト」という製品で、これはセメントに繊維質を混ぜ、色陶磁器粉を加えて平形に成型・着色された屋根葺き材です。高密度な結晶構造を持ち、1平方メートルあたり20キログラムと軽量で、防水性と耐久性が高く、発色のいいのが特徴。価格がリーズナブルで施工も簡単なため、いまではすっかりポピュラーな存在になりました。寿命はおよそ30年です。

 カラーベストは防水性、耐久性に優れているため、メンテナンスも容易です。葺いてから12〜15年目に汚れを落とし、適宜補修し、塗装し直します。このメンテナンスをしておけば、通常はあと7〜8年持ちますが、傷みがひどい場合は葺き替えになります。

 カラーベストを塗装し直す場合、その費用は屋根面積100平方メートルでおおよそ26万円。内訳は、水洗い4万円、下地材シーラー7万円、屋根用専用塗料13万円、消費税などの諸経費2万円です。

 カラーベストを葺き替える場合、その費用は屋根面積100平方メートルで、おおよそ111万円から。内訳は、古いカラーベストの解体8万円〜、古いカラーベストの撤去処分16万円、防水紙の張り替え6万円、新しいカラーベストの材料・工事費60万円、板金工事15万円、消費税などの諸経費6万円になります。

 屋根材を撤去した時に、野地板(屋根下地材)が腐食していないか必ず確認してもらいましょう。もし腐食等があれば、この際張り替えておきましょう。

 なお、これらの工事の際、足場は必須ではありませんが、もし足場を架設する場合はプラス8〜10万円程度かかります。

トタン屋根の塗装は30万円

 金属系の屋根材にはトタン(亜鉛メッキ鋼板)、ガルバリウム鋼板などがあります。これまで金属系屋根材は「雨音がうるさい」「日差しで熱くなりやすい」などの難点がありましたが、近年は改良が進み、防音効果や断熱効果の高い製品も登場しています。

 トタン屋根の場合、耐久性は15〜20年で、7〜10年で塗り替えが必要。塗り替えの場合はおおよそ30万円が目安になります。内訳は水洗い(高圧洗浄)4万円、下地処理4万円、ウレタン系塗料塗装20万円、消費税など諸経費2万円です。

 なお、こうした金属系屋根材は1平方メートルあたり5〜7キログラムとごく軽量なため、先ほどのカラーベストの上から重ね葺きすることも可能です。重ね葺きはカバー工法とも呼ばれ、現在ではポピュラーな手法になりつつあります。

 たとえば、ガルバリウム鋼板の瓦でカラーベストの上から重ね葺きする場合の費用は、おおよそ185万円。内訳は、鋼板取り付け用の木工事25万円、防水紙張り6万円、板金工事25万円、ガルバリウム瓦とその取り付け120万円、諸経費9万円です。

 なお、ここでご紹介した費用は、どちらも足場代を含んでいません。足場を架設して工事する場合は、別途8〜10万円かかります。

 こうしたカバー工法のメリットは、古い屋根材(カラーベスト)の解体・処分費用がかからないことです。ただし、その場合でも一部めくって下地の状態の確認だけはしておきましょう。デメリットは、その分、屋根が重くなること。耐震性に不安がある場合は、避けたほうがよいかもしれません。

日本瓦は基本的にメンテナンスフリー

 粘土系の屋根材の代表は、ご存知、日本瓦です。非常に耐久性が高く、基本的にメンテナンスフリー。漆喰、締め直しなどを適切に行なっていれば、50年から100年もつといわれています。

 難点はほかの屋根葺き材に比べて、1平方メートルあたり55キログラムと極端に重いこと。そのため、地震に弱いのでは? と思われがちですが、新築時にきちんと構造計算されていれば、特に問題ありません。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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