塗装も自由! 2x4材と突っ張り金具で「釘打ち」できる柱と壁をつくる
嶋崎都志子
2016/11/03
自由にネジ穴を開けられる柱を設置する
<今回紹介するDIY>
難易度 ★☆☆
予 算 ¥2000〜
普段の生活で、ちょっとしたものの置き場や収納場所に困るということはありませんか? そんなときに強い味方になってくれるのが、「フック」です。壁に小さなフックを取り付けるだけで、帽子やバッグをかけることも、雑貨などを飾ることもできて、インテリア性も利便性もグッと増します。
でも賃貸物件の場合、壁に穴を開けたり、釘を打ったりすることはできず、自由な場所にフックを取り付けることはできません。また、壁に穴を開けられる場合でも、壁裏にある見えない柱部分にフックを取り付けないと、しっかり固定するこができず、重たいものをかけると落ちてしまうことも。
しかし、DIY初心者が、壁裏に隠された柱を見つけ出すのは至難の技です。
そんなときに、おすすめしたいのが突っ張り金具と木材を組み合わせて、自分で柱を設置してしまうという方法。天井と床に突っ張り金具で木材を固定し、柱にしてしまうのです。柱を2本立てればベニア板を貼って壁をつくることもできます。これなら、お部屋の壁を傷つけることなく、自由にフックを取り付けることができるうえ、木の風合いがナチュラルな雰囲気を醸す空間にしてくれます。
用意するのは専用金具と木材だけ
(写真1)スプリング構造タイプの「ディアウォール」(若井産業株式会社)
柱に使用するのは、専用の金具と2×4(ツーバイフォー)材と呼ばれる木材です。
これらを組み合わせて突っ張り機能を持たせることで、木材を天井と床の間にしっかり固定します。
床と天井に大きな突っ張り棒をつけるような仕組みになっている、といったらイメージが湧くでしょうか。
専用金具にはふたつのタイプがあります。
ひとつは、木材を差し込む金具のなかにスプリングが設置されており、そのスプリングの力で柱を固定するタイプ(写真1)。
(写真2)アジャスタータイプの「シンプソン アジャスター金具」
もうひとつは、金具のアジャスターダイヤルを回して、長さを調整することで柱を固定するタイプです(写真2)。
どちらもホームセンターやネットショップで1000円ぐらいから購入することができます。
今回は、スプリング構造タイプを使って、柱を設置してみましょう。
まず、柱を取り付けたい場所の床から天井までの高さを測りましょう。測った長さから45mm引いた長さの2x4材を用意します。2x4材は厚さが38mmもあるのでカットはホームセンターのカットサービスですませてしまうと便利です(1カット50円〜でカットできます)。
天井までの長さの木材を運ぶのはなかなか大変です。
困難な場合は、有料ではありますがホームセンターの配送サービスを利用してもいいと思います。
ホームセンターの木材やサービスについては、以前の記事も参考にしてみてください。
(参考記事)
「家族で1日楽しめる遊園地! 行ってみよう! DIY初心者のためのホームセンター入門」
工具は必要なし! 簡単に設置できる!
(写真3)上パッドに木材を差し込む
では早速、柱を取り付けてみましょう。
柱というと大掛かりな印象があるかと思いますが、専用の突っ張り金具と木材を用意すればあとは取り付けるだけ!工具は要りません。
(手順1)
スプリング構造になっている上パッド(天井に固定する部品)に、カットした2x4材を差し込みます(写真3)。
(写真4)上パッドを天井に押し付けてスプリングを縮める
(手順2)
差し込んだ後は、上パッドを上にして柱を立てます。
そのまま、上パッドを天井に押し付けて内部のスプリングを縮めておきましょう(写真4)。
(写真5)滑らせるようにしたパッドを壁につければ完成
(手順3)
滑り止めがついた下パッドを木材にはめて、そのまま床を滑らせるようにして壁まで移動すれば完成です。
柱が垂直になっているかを確認し、軽く揺さぶって強度を確認しましょう。
突っ張り機能がゆるい場合は、付属の「スペーサー」と呼ばれる板を下パッドのなかに入れてバネの力を調節することができます(写真5)。
(写真6)ネジ穴を開けるのも、フックを取り付けるのも自由
(手順4)
設置した柱には、好きな位置に穴を開けたり、フックをつけたりすることができます。
バッグを掛けたり、グリーンを飾ったり、ポストカードを貼ったりと、ネジ穴を気にせずに、自由に楽しむことができますよ!(写真6)
柱をいくつか組み合わせて壁面収納も
ちなみに、2x4材はパイン材を中心とした木の節目がある樹種が多く、木目の柔らかい風合いを楽しむことができます。部屋のなかに木の柱が1本立つだけでも、インテリアがナチュラルな雰囲気になります。
無塗装の材木なので水性塗料で好きな色を塗ったり、オイルステインと呼ばれる染み込むタイプの着色剤で木目を生かした柱にしてみたり、自分なりのアレンジをしてみてもいいのではないでしょうか。
柱を取り外すには、取り付けたときと逆の順番で木材を天井に押しつけながら、下パッド部分をゆっくりと手前に滑らせるだけ。簡単に取り外すことができます。
また、柱をいくつか組み合わせて設置すれば、ベニヤ板を貼ったり、棚をつくったりと大型の壁面収納を設置することもできます。突っ張り機能で固定する柱なので、書籍のような重いものを収納する棚には向いていませんが、マイコレクションを飾るディスプレイ棚や、普段は使わない季節のレジャー用品の収納など、アイデア次第で使い方は無限に広がります。
各メーカーのホームページでも施工例が紹介されていますので、是非参考にしてみてください。
(参考ページ)
スプリング構造タイプ「ディアウォール」 若井産業株式会社
この記事を書いた人
DIYアドバイザー、インテリアコーディネーター
ハウスメーカーや内装会社などでの施工現場経験を活かし、雑誌、テレビのDIY監修やプチリフォームのアドバイスを行なっている。著書に「初めてでも自分でできる住まいの修繕とメンテナンス」(成美堂出版)など。