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創業から250年以上の歴史をもつラグジュアリー・ブランド

世界最高峰のクリスタルグラス、『バカラ』の世界(1)

パップ英子パップ英子

2016/06/12

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世界中を魅了する『バカラ』とは?


出所 : baccarat.jp( http://www.baccarat.jp/decoration?type=largegrid )

ブダペストから贈るインテリア・雑貨コラム、前回はブダペストで開催されたワインフェスティバルを現地よりレポートしました。その際、ワイングラスの豆知識も交えてお伝えしましたが、今回はそんなグラスつながりで、世界最高峰のクリスタルガラスを製造するラグジュアリー・ブランド、『バカラ』の魅力に迫ります。

世界中のワイングラスのなかでも、最高峰と謳われるのが『バカラ』グラスです。特にワイン愛好家達にとっては、ヴィンテージ・ワインとともにコレクションしたい逸品でしょう。

『バカラ』は世界最高峰のワイングラスをも有し、創業から250年以上という長い歴史を持つラグジュアリー・ブランド。そんな『バカラ』の、創業から今日までの道のりをはじめにご紹介します。

フランスの東部、ロレーヌ地方の南部にバカラという村があります。ブランド名の『バカラ』は、そのバカラ村にちなんで命名されました。

1764年、同地方の司教であったモンモランシー・ラバル氏は、度重なる戦争で疲弊した経済力を復興させようと、国王のルイ15世に宛てて「国内でのガラス工場の設立」を懇願する請願状を送ります。

その書状をルイ15世が承認・認可した後、バカラ村にガラス工場が建設されました。それが、『バカラ』誕生の瞬間です。

その後、『バカラ』はクリスタルガラス製造の分野において最高品質を維持している点、さらに時代の美をとらえ、カタチにする創造性の高さが評価され、1823年のパリ万国博覧会で金賞を受賞、見事グランプリに輝きました。その受賞を機に多くの王侯貴族に愛用されるようになり、『王者たちのクリスタル』としてその名を世界中に轟かせるようになっていったのです。

まさに圧巻! 重量800キログラムもの『バカラ』シャンデリア


「バカラ・メゾン・パリ」 出所 : baccarat.jp( http://www.baccarat.jp/on/demandware.store/Sites-bct_jp-Site/ja_JP/HubPage-WobStart )

ここは、フランス・パリのシャンゼリゼ通りにほど近い「バカラ・メゾン・パリ」。最高級クリスタル・ブランド『バカラ』のすべてがわかるギャラリーを有したこの建物は元々、20世紀の芸術家“マリー・ロール・ド・ノアイユ”という子爵夫人が暮らした美しい邸宅でした。

当時、子爵夫人のこの邸宅は、名だたる芸術家や著名人と交流する場所として、サロンのような機能も果たしていたそうです。クラシカルな内装が光るこの部屋はボール・ルームと呼ばれ、ベルサイユ宮殿の鏡の間を彷彿とさせるような美しさがありますね。

そして、この部屋を見たとき、最初に目に飛び込んでくるのが、豪華絢爛な最高級『バカラ』シャンデリアの数々。特に階段の天井にある重量なんと約800キログラム、157灯もの巨大なシャンデリアの美しさはまさに圧巻の一言です。

バカラにはワイングラスのようなテーブルウェアはもちろん、このようなシャンデリア、フロアランプなどのライティング(照明)製品も種類豊富にあるんです。また、同施設には13.5メートルのガラステーブルをはじめ、バカラの名作が多数展示されています。

2003年秋、パリの合衆国広場付近にオープンしたバカラ・メゾン・パリは、同ブランドのギャラリーのほかにも、ブティックやレストランもある複合施設となっています。レストランのテーブルウェアには『アンクール』という(本コラムの後半でご紹介する)、シリーズのグラスが使用されているそうです。


出所:Facebook/Official Baccarat Fanpage( https://www.facebook.com/baccarat/photos/pb.128365620510899.-2207520000.1465479745./1179240275423423/ )

写真は、バカラのFacebook公式ファンページより。写真の真ん中、奥の方に3つ、赤いグラスが見えますよね。製品名は右から『ツアーグラス』、その左、真ん中にあるのは『ツアー シャンパンクープ』というシャンパン用グラスです。

バカラにはカクテル&シャンパン、ワインテイスティンググラス、タンブラーなど、実にさまざまな種類のグラスがあります。クリスタルガラス製のバカラグラスにはそれぞれシリーズ名があるのですが、特に有名なシリーズから順に紹介していきましょう。

バカラのアイコン的シリーズといえば『アルクール』


出所:baccarat.jp( http://www.baccarat.jp/ )

このアジアンテイストなテーブルセッティングの写真に写る3つのグラスは、すべて『アルクール』というシリーズのもの。クリアクリスタル製のグラスは左から『アルクールシャンパンクープ』、真ん中は『アルクール・タンブラー』、そして右が『アルクールシャンパンフルート』という商品名です。

六角形の台座がもたらす安定感と、光を集めるために広く平らなカットが側面に施されたグラス。『アルクール』シリーズは今日、バカラを象徴するアイコン・モデルとして、世界中で多くの人々に愛用されています。

1825年、“アルクール侯爵”家の婚礼用にとデザインを開始し、1841年に完成形がつくられたことから、このグラスは“アルクール”と名づけられました。

聖餐杯によく似た形とアーチ型のフラットカット。水晶のような重厚感となめらかな輝き。そのフォルムもまた、とてもエレガントなため、アルクールはフランス人が最も愛するパターンなのだそうですよ。

そんな『アルクール』シリーズは、19世紀のパリ万国博覧会で2度のグランプリを獲得。さらに1917年にはローマ法皇ベネディクト15世により、バチカンで使用するグラスにまで選ばれるほどの功績を残しています。


出所:Baccarat@facebook( https://www.facebook.com/BaccaratClub/ )

写真はニューヨークの最高級ホテル、THE PLAZA NEW YORKのダイニングにある、オールバカラで彩られた美しいテーブルセッティングです。あまりにも神々しい美しさで、座るのに少し勇気が入りそうですね。

世界最高峰のクリスタルガラス『バカラ』の魅力はまだまだ尽きません。後編では、その他の人気シリーズの解説、さらに、昨年オープンした世界一ゴージャスな(!?)『バカラホテル』の素晴らしいインテリアをご紹介したいと思います。

どうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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