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ホスピタリティ溢れる美しいディスプレイ術に学ぶ

ブダペストで見つけた美味しいビストロの素敵なインテリア

パップ英子パップ英子

2016/03/13

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ホワイト&パープルで統一された美しいインテリア


(c)villa-bagatelle ( http://villa-bagatelle.com/hu/bistro )

インテリア&雑貨について、中央ヨーロッパ、ハンガリーからお届けする本コラム。連載の合間合間に、『ブダペストぶらり探訪』して見つけた、素敵なインテリアを紹介していきますね。

今回、ご紹介するのは、筆者が暮らすブダペスト市内でも、美味しくてオシャレと評判のビストロ(*)。素敵なお店の美しいディスプレイ術に学んでみたいと思います。

(*)ビストロ:カジュアルなレストランのこと

ブダペスト市内のブダ地区に、一見すると小さなホテルのように見える、3階建ての瀟洒な洋館があります。

VILLA BAGATELLE(ヴィッラ・ヴァガテル)という名前のこちらの洋館は、1階には可愛いベーカリー&カフェ、2階にはオシャレなビストロ、3階には結婚披露宴やイベントに使用される素敵なサロンが入っています。

写真は同ビストロのオフィシャルサイトから、2階にあるビストロの窓辺にあるテーブル席の様子です。日の光が降り注ぐ心地よい席で、ハンガリーの少女達がオシャレをして楽しそうに食事していますね。

白木のテーブルに白い籐編みの椅子を合わせ、テーブルクロスやナプキン、椅子の座面がパープルカラーのエレガントなテーブル・セッティング。全体をホワイトとパープルに統一し、ナチュラルな美しさが広がる空間には、オシャレなインテリア術がいっぱいです!

VILLA BAGATELLEの2階にある素敵なビストロ空間をご紹介しながら、そのインテリア術について解説していきましょう。

布シェードでそろえた照明使いが秀逸なエントランス


(c)フィノマガジン/FinoMagazin( http://www.finomagazin.com )

こちらは2階のビストロ入り口付近の写真です。写真右側のドアを開け、ビストロの中に入ると、最初に目に入るのが、受付も兼ねたパティスリー・コーナーです。

左側のショーケースには、チョコレートケーキやマカロンなど、美味しそうなスイーツが並んでいます。このエントランス付近で注目したいのが、照明のインテリア・テクニックです。

写真奥には3つの壁掛けライトが、そして、カウンターの上にも大きなテーブルランプが見えますよね。それらはいずれも布シェードのランプを使用して、デザインをそろえています。また、テーブルランプなどの間接照明を上手に活用することで、ゲストを心地よく迎えられるよう、優しい光を演出しているのもポイントです。

キュートなシャンデリアと大きな本棚に注目

こちらはビストロ全体の風景。奥にあるソファ席から撮影した様子です。

ここでも最初に目につくのは、とても大きなホワイト・シャンデリア。VILLA BAGATELLEは、パープルとホワイトがブランドカラーのようで、シャンデリアもこのようにパープルのモールでおめかししていてとってもエレガントです。

そして、少し見えにくいかもしれませんが、右側の壁に大きな白い本棚が見えます。本棚のディスプレイが苦手という方が結構いらっしゃるようですが、この白い本棚はまさにディスプレイのお手本といえるものです。

写真の本棚をご覧いただくと、それぞれの棚に並ぶ書籍の高さがほぼ揃っていると思います。そう、本棚のディスプレイで気をつけるべきポイントは、この本の高さを揃えるということ。そして、できれば、本の種類や装丁の色も似たもので揃えられると完璧です。そのようなポイントを意識して書籍を並べると、本棚全体の見栄えがとてもよくなるんです。このビストロでは、本棚もとても素敵なインテリアの一部となっていますね。

『本の高さ・種類・色』を統一したら、もうひとつ、考えていただきたいのは、どの位置にどのような書籍を並べるか、ということです。ご自宅にもし、背の高い本棚がおありでしたら、いまからご案内するポイントを気にかけていただければと思います。

(1)手の届きにくい上段:普段あまり読まないけれど、装丁が美しいので飾っておきたい本。
(2)すぐ手が届き、取り出しやすい中段:日頃から愛読する本やお気に入りの本
(3)かがまないと取れない下段:普段、あまり読まないけれど、保管しておきたい本

以上、この3つのポイントも意識して、ご自宅の本棚を上手にディスプレイしてみてくださいね。


(c)フィノマガジン/FinoMagazin( http://www.finomagazin.com )

この日、ビストロを訪ねたのは、ちょうどお昼の時間だったので、ランチメニューをオーダーしてみました。

白いナチュラルな食器やガラスの器に盛られたお料理は、ラザニアやマッシュポテトが添えられたビーフシチューなど。これら三品が、籐素材の白いプレートにちょこんとのせられているのが、とってもキュートな印象でした。いただいたそのお味は、どれもくどすぎずあっさりしすぎず、ちょうどよい味わいで大変美味しかったです。

壁インテリアの定番でもあるアートのディスプレイ


(c)フィノマガジン/FinoMagazin( http://www.finomagazin.com )

次にご紹介したいのは、このビストロの『壁インテリア』についてです。実はこの素敵な空間、トイレの手前にある洗面コーナーの一角なのですが、壁インテリアの定番でもあるアートのディスプレイがとても上手だったので、取り上げてみました。

ご覧いただきたいのは、壁にかけた絵の飾り方です。どの絵も同じフォトフレームに収めていることと、それぞれ絵の位置を水平垂直となるようそろえているところにお気づきでしょうか。

同じ作家のイラストを、同じフレーム、同じ高さにそろえることで、とても素敵なインテリア・コーナーとなっていました。

窓辺に飾られた可愛いインテリア雑貨

最後は、窓辺のコーナーに飾られた、可愛いインテリア雑貨に注目したいと思います。

お菓子の国に迷い込んだかのような、パープルのラッピングが可愛い『キャンディ』と、小さなホワイトカラーのおうち。それぞれペーパークラフトでお店のスタッフさんが手づくりされたようです。お店の皆さんは雑貨づくりもお得意なんですね。

そして、ガラスの大きな花瓶にはお花ではなく木の枝を入れて飾っているのも印象的でした。

写真下をご覧いただくと、小さな木の白い椅子とテーブルがありますよね。ここは、子どもたちのために設けたミニサイズのキッズ・コーナー。

来店中は、ゲストは本棚にある本を自由に閲覧することができます。気に入った書籍を手に取り、食事を待つ間に席で読む人もいれば、この窓辺にあるミニ・コーナーで、キッズチェアに座りながら読書する子どもたちの姿も見かけられました。

ブダペストのブダ地区にあるVILLA BAGATELLE。その2階にあるビストロの店内はすみずみまでオシャレで可愛く、そんな素敵な空間をつくりあげる上で、さりげなくインテリア術を駆使している点にとても感心しました。

美味しくて美しいと評判のお店とは、そのホスピタリティはもちろん、ゲストが心地よく過ごせるようディテールにもこだわり、インテリアに工夫を絶やさないものであることがよくわかった1日でした。

ブダペストの素敵なビストロからお届けしたインテリア・コラム、いかがでしたでしょうか。
次回もどうぞお楽しみに。

 

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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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