LED照明のメリット、デメリットを知っておこう
桑田 唯
2016/01/31
高寿命で省エネな、LED照明は本当におすすめ?
省エネということで、徐々に浸透してきているLED照明。つい先日も、今後、白熱球や蛍光灯をLEDに置き換えることを推奨するという方針が、政府により発表されました。次に照明を買い替えるなら、LEDにしようかと思っている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、LED照明のメリットとデメリットについてご紹介します。
LED照明の大きなメリットは、寿命が長いということ。たとえば、白熱球の寿命は約1000〜3000時間、蛍光灯の寿命は約6000〜1万2000時間なのですが、LED電球の寿命は約4〜6万時間もあるのです。蛍光灯だと約4〜10倍、白熱球で考えると10〜60倍もの差があります。LED電球を1日6時間使用すると考えると、なんと約18年以上も使用できるんです。交換する手間がぐっと減るのが嬉しいですね。
また、消費する電力がとても低いのも魅力。60Wの白熱球と比べると、蛍光球だと約12W、LED電球だと約8Wの消費電力で、60Wの白熱球と同じくらいの明るさを得ることができます。蛍光球と比べると約7割、白熱球と比べると約2割の消費電力です。当然、電気代も安くなりますよね。
初期費用が高いけど、長い目でみればお得?
電球を使うほとんどの照明器具ではLED電球も対応しており、電球の買い替えのときにLED電球も選択肢に上がるのではないでしょうか。
しかし、LED電球はだいぶ価格がこなれてきたとはいえ、白熱球や蛍光球と比べて価格が高く、少しハードルが高く感じてしまうことも。たとえば60W相当の白熱球が100円前後だとすると、同じ明るさの蛍光球は300〜500円、LED電球だと1000円以上することが多いです。1個だけ買い替えるならまだしも、電球が3個必要な照明だと、電球の買い替えの費用もだいぶ変わってきます。
ただ、初期費用が高くても、長い目で見ればやっぱりLEDはお得なんです。60Wの白熱球を1日6時間、1年使った場合の電気代は、約2890円。同じ明るさの蛍光球だと1年で約578円、LED電球だと385円です。LED電球の価格が1000円だとすると、白熱球の場合は1年で十分元が取れるという計算に。蛍光球と比べる場合でも、約3年使うと元が取れるんです。
ですから、長い目を見て節約をしたい場合は、LEDに替えるのをおすすめします。
LEDは紫外線を含まない!
また、LED照明は紫外線をほとんど含みません。紫外線を含まないと、美術品などが色あせず劣化しにくくなるというメリットもありますが、もっと身近なメリットとして、虫が寄ってこないという点があげられます。
照明のカバーを外すと虫の死骸が…ということがよくありますが、虫は光に含まれる紫外線によって引き寄せられているのだとか。虫が寄ってこないのは、地味だけれども嬉しいポイントですよね。
LED照明のデメリットは?
LED照明はなんだかいいことづくしのような気もしますが、やはりデメリットもあります。まず、LEDの光は直進性が強いのであまり光が広がらず、部屋の位置によって明るさが異なってしまうという点。最近では、光を広く反射させられるような工夫がされた電球や照明器具もでてきていますが、やはり蛍光灯や白熱球のようには広がりにくいです。
また、照明による影がくっきりと出やすく、少し違和感を感じることもあります。さらに、照明器具や電球の形状によっては、蛍光灯や白熱球と比べて光がかなりまぶしく感じることも。これらもLED照明の光の直進性が強いことが理由です。
どれも致命的なデメリットではありませんが、これまでの照明と比べて最初は少し違和感を感じてしまうかもしません。
LED照明のメリット、デメリットをご紹介しましたが、圧倒的にメリットのほうが大きそうです。電球をLEDに替えるときに注意していただきたいのが、調光機能つきのスイッチがついている場合は、LED電球を使えないということ。その場合は、通常のスイッチに取り替えてからLEDに変えましょう。
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。