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人生100年時代 日本中を"渡り鳥"のように暮らす生き方 〜自分の知らない地域に触れて、はじめての自分に出会う〜(1/3ページ)

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画像提供/全国渡り鳥生活倶楽部(取材・文/向園 智子)

2019年以降、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によって私たちの生活は大きく変化した。従来の常識はコロナ禍においては通用せず、日々の生活では窮屈な生活を強いられる一方、ビジネスの場では在宅勤務・リモートワークの急速な普及で“新たな働き方”も常識となりつつある。こんな時代だからこそ、自分らしい働き方や暮らし方を模索したいと考える人も多いだろう。そこで密かな注目を集めるのが新しい住まい方を提案する『wataridori』というサービスだ。いったいどのようなものなのか? wataridoriを運営する全国渡り鳥生活倶楽部 代表の牧野知弘さんに話を聞き、その仕組みと魅力に迫った。

目指すは新しいライフスタイル

日本全国には使われていない邸宅や別荘がたくさん眠っている。そのような住宅を活用し、そこに住みたい人に貸し出すのがwataridoriである。


wataridoriのホームページ/画像提供 全国渡り鳥生活倶楽部

全国渡り鳥生活倶楽部の牧野知弘さんは次のように話す。

「『wataridori』は、空き家の物件オーナーさんの承諾を得て借り上げ、『渡り鳥ハウス』として倶楽部会員に1週間単位で最大数カ月で貸し出すというサービスです。そして、新たな生活をスーツケース一つですぐに始められるよう、全ての住宅に家具、家電、最低限の生活備品を整えています」


全国渡り鳥生活倶楽部株式会社 代表 牧野 知弘さん
1983年東京大学卒。第一勧業銀行、ボストンコンサルティンググループ、三井不動産にて様々な金融、不動産に関するプロジェクトを推進。退職後、不動産投資ファンド、REIT関連会社の役員、代表取締役社長を歴任。2009年、株式会社オフィス牧野を設立し、独立。2014年、祥伝社新書「空き家問題」にて、日本の不動産が抱える問題に対する提言。その後、数々の地域創生アドバイザリー業務に携わり、2015年オラガ総研株式会社設立。2019年、大分県別府市にて「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」のアレンジャー、プロジェクトマネージャーとして開業の総合的なプロデュース。2018年全国渡り鳥生活倶楽部株式会社を設立。日本中の日常を渡り鳥のように暮らす「wataridori」サービス事業を展開。画像提供 全国渡り鳥生活倶楽部

コロナ禍で働き方が変わり、リモートワークでも十分に仕事ができることに気付いた人も多いだろう。家と会社の往復だけの生活には確かにうんざりする。好きな場所、好きな時間で生活したいと考える人も増えてきた。

「確かに都心に住むというのは、とても便利ですよね。美味しいお店もたくさんあって、人もたくさんいて賑わっている。ですが、価値観は人それぞれです。さらに、コロナ禍で窮屈な生活を強いられています。そんななか、知らない地域に触れることで知らない自分に出会うことができ、その先に新しい価値観や新しい自分、暮らし方があるのではないでしょうか。人生100年時代、私たちはいつまでも新しい自分に気付ける機会を提供したいと思っています。渡り鳥ハウスは、一度は住んでみたい豪邸、ノスタルジーにあふれた古民家、大草原の中の一軒家など、さまざまな住宅をご用意しています」


渡り鳥ハウス 左:岐阜県高山市 右:京都府京都市東山区/画像提供 全国渡り鳥生活倶楽部


渡り鳥ハウス 左:京都府京都市東山区 右:岐阜県高山市/画像提供 全国渡り鳥生活倶楽部

渡り鳥ハウスは、21年4月時点で10棟ある。その所在地は、岐阜県飛騨高山や長野県軽井沢、京都市内、山口県下関、熊本県阿蘇、大分県別府など豊富にラインナップしている。さらに、北海道や沖縄県の物件も準備しているという。長年都心で暮らしている人たちは、コロナ禍でなくとも一度はこんな住宅に住んでみたいと思うのではないだろうか。

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