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「病期」から見た風邪の治療法は、新型コロナとその後遺症に改善につながる(3/3ページ)

杉 幹雄杉 幹雄

2021/02/25

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新型コロナの後遺症と漢方薬

新型コロナでは、快復後に後遺症を訴える人が多数いると報道されています。実際に私のクリニックにも、新型コロナから快復後の後遺症で診察に訪れる患者さんがいます。この診察の経験から痛感したことは「風邪の病期」に則した後遺症治療の重要性です。

というのも、新型コロナによって重篤な症状になっていなくても、ほとんどの患者さんが少陽病期での実質臓器の充血や、陽明病期における管腔臓器の充血が残っていたのです。そして、これら臓器の充血が後遺症を起こす原因になっていると考えられるからです。

例えば、新型コロナの初期症状で咳が止まらないという患者さんの例では、実質臓器や管腔臓器の充血がとれていませんでした。そこでこの充血を取る漢方治療を進めたところ徐々に咳が治まっていきました。また、胸部不快感や頚部痛などが残る患者さんは、脾臓の充血が取れないことが確認でき、それに対する漢方治療をすることで症状は軽快しています。

このように新型コロナであっても『傷寒論』に記された病期を把握し、漢方治療を行うことで症状の改善がみられたのですから、そのほかの感染症や病気においても漢方医学と現代医学と合わせることは、さらなる医学の発展に繋がって行くと思えてなりません。

日本には『傷寒論』を解析した本がたくさん残っています。これまでのように現代医学一辺倒ではなく、こうした日本に残された漢方医学の“遺産”を活用した病態把握の視点の再検討が必要な時期に来ているのではないかと思えてなりません。

これは医学だけでなく、日常生活においても先人たちが残した「貴重な考え方」に目を向け、その考え方を土台にした新しい日常を作って行くことの大切さを物語るものでもあると考えています。

次回は、漢方治療の誤治により新たな病気ができる病気の機序について、お話ししようと思っています。

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この記事を書いた人

すぎ内科クリニック院長

1959年東京生まれ。85年昭和大学医学部卒業。国立埼玉病院、常盤台病院、荏原ホームケアクリニックなどを経て、2010年に東京・両国に「すぎ内科クリニック」を開業。1975年大塚敬節先生の漢方治療を受け、漢方と出会ったことをきっかけに、80年北里大学東洋医学研究所セミナーに参加。87年温知堂 矢数医院にて漢方外来診療を学ぶ。88年整体師 森一子氏に師事し「ゆがみの診察と治療」、89年「鍼灸師 谷佳子氏に師事し「鍼治療と気の流れの診察方法」を学ぶ。97年から約150種類の漢方薬草を揃え漢方治療、98年からは薬草の効力別体配置図と効力の解析を研究。クリニックでは漢方内科治療と一般内科治療の併用治療を行っている。

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