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塗り重ね乾燥時間と施工不良の関連性

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■実は大事な乾燥時間

 

建築においては、塗装は「塗料を塗り重ねること」と言い換えることもできます。特に外壁・屋根に関しては下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが一般的ですし、塗装中に雨が降ったりして状況が悪い場合にも重ね塗りをする場合があります。

 

下塗りなどの塗装が一度済んだら、適切な乾燥時間を置く必要があります。これは塗り重ね乾燥時間とも呼ばれ、実はプロであれば絶対に守らなければならない基準の一つです。塗り重ね乾燥時間の目安は塗料の缶やカタログには必ず記載されています。

 

所定の塗り重ね乾燥時間を守らないとどうなるでしょうか? 乾燥不良、縮み、割れ、付着不良などの不具合が必ず起こります。また、所定の希釈率を守らないと、塗り重ね乾燥時間も変わってしまいます。先に「塗り重ね乾燥時間の目安」と書きましたが、この目安を守らないと不具合は「必ず」起こると思っておくべきです。塗料とはそれだけデリケートなものなのですね。

 

ちょっと専門的になりますが、乾燥時間には指触乾燥、半硬化乾燥、硬化乾燥、完全乾燥の4つのプロセスがあります。指触乾燥は、塗装面に軽く触れても指に塗料が付かない状態で、まだ安心して塗り重ねは行えません。半硬化乾燥の段階になると、塗装面をゆっくり軽くこすっても塗装面に跡が残らない状態になります。この段階になれば重ね塗りをしても大丈夫だと言われています。

 

■少ない乾燥時間で塗装が台なし!?

 

塗装をするには気温も重要になります。春、秋は過ごしやすい季節ですが、塗料も安定するので、塗装についても最も条件が良いと言われています。しかし、真夏や真冬といった寒暖差の激しい季節は、施工に適していません。

 

さらに、気温5℃以下、湿度85%以上の場合は塗装不可と言われています。この条件下で塗装をすると、通常よりも極端に長い乾燥時間が必要になってしまうのです。塗料が想定していない長時間乾燥が必要になれば、塗装の品質にも関わってきます。乾燥したと思って上塗りをしたら、実は塗料の内側はまだ乾燥しておらず、仕上がりが大変汚くなってしまった、ということも起こります。

 

また、乾燥時間は前回述べた塗布面積とも関わってきます。塗装面が乾燥していないと、上から塗る塗料は付着しにくくなります。逆に言えば、少ない塗料で塗れてしまうということですが、これは規定の塗布面積が守られておらず、塗布量も足りないということですから、塗料本来の耐用年数は発揮されなくなってしまうのです。

 

このように、塗料をきちんと乾燥させるかどうかは塗装全体の品質につながります。施工を依頼した時は、乾燥時間もきちんと確認するようにしましょう。

 

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