パリのアパートに入居して感じた「こんなはずじゃなかった」
桑田 唯
2016/01/04
部屋が掃除されていなかった
これはある意味しょうがない部分もあるのですが、部屋が掃除されていませんでした。
なぜなら、私が入居した日は、前住んでいた人が退去する日と同じ日だったんです。大家さんも申し訳なさそうにしていたんですが、私ができたらその日に入居させてほしいといったこともあったので、しょうがないかと思いました。
日本では、掃除していない部屋を貸すということがまず無いと思うので、予想外でした。少しテンションは下がりましたが、「魔女の宅急便」のキキも、ひとり暮らしを始めるときに掃除してたしな! と自分を奮い立たせ、しっかり掃除しました。
前の人との退去日と入居日が重なる場合は、掃除の件を事前に聞いておいたほうがよいと思います。
シャワーの出がよくない
私の部屋にはシャワーブースが備えつけられています。住宅のトラブルでお湯が出ない! というのはよく聞きますが、幸いお湯はしっかり出ました。しかし、シャワーの水圧が弱めでした。シャワーヘッドの穴がカルキで少し詰まっていたので、そこを掃除すると少しは改良されました。ですが、まだまだ弱めだと思います。3カ月ほど経ったので、もうだいぶ慣れましたが。
ただ、パリではお湯を電気で湧かしており、1回のシャワーで使えるお湯の量はそこまで多くなくて、使いすぎるとお湯が出なくなってしまうんです。なので、もしお湯がじゃんじゃん出ると、必然的にお湯を使える時間が短くなるので、これはこれでよかったのかなぁと考えることにしました。
実際に物件を見て決める場合は、シャワーの出もチェックしておくことをおすすめします!
共有トイレがトルコ式だった
私のアパートはトイレが共有だったのですが、なんとトルコ式トイレだったのです。共有トイレのことについては、事前にメールでいろいろ質問していたのですが、これは予想していませんでした!
トルコ式トイレとは、日本の和式トイレに似ていて、同じようにしゃがんで使うトイレなのですが、写真を撮るにもそんなに奇麗な絵面ではないので、イラストを描いてみましたのでご覧ください!
Googleなどで検索すると画像が出てきますので、見てみたい人はそちらで検索してみてください。他にもいろいろなパターンのトルコ式トイレがあるようなのですが、私のアパートはイラストに描いたような形です。どっちの向きで用を足すのか、最初戸惑う人が多いようで、同じアパートに住む日本人の人たちが戸惑っている会話が廊下から聞こえてきたこともありました。
まさかフランスにこんな形のトイレがあるとは思っていなかったので、最初すごくびっくりしました。調べてみると、フランスのトイレ事情はあまりよろしくないようで、トルコ式トイレはさほど珍しくはないようです。私は完全に洋式だと思い込んでいたので、メールでも「洋式ですか?」とは聞いておらず、実際にこの目で見たときは本当に驚きました。もし事前にわかっていたとしても、トルコ式だからここはやめる、ということにはならなかったとは思うのですが…。
一番ギャップが大きいポイントでした。
家電が充実していた
ネガティブな意味でのギャップばかり書きましたが、よいギャップもありました。
私が借りたのは、家具つきの部屋なのですが、家賃も安いし、そこまで設備には期待していませんでした。ですが、 思ってた以上に家電などの設備が充実していたんです。
ネットで見た写真では電子レンジが写っておらず、「ないのか…」と思っていたのですが、写真には写らない少し上の部分にちゃんとありました。また、アイロンや電気ケトル、ハンディ掃除機、さらにハンディミキサーまでありました!
少し不便な点があるかもしれないと覚悟していましたが、とても快適に過ごせています。
どちらかというとネガティブなギャップが多かったのですが、私にとっては「もう日本に帰りたい」と思ってしまうような致命的ではなかったのでよかったです。
実際に物件を見ないで決める場合、アパートの想像を膨らませてしまうと実際に入居したときにがっかりする場合が多いと思うので、あまり期待しすぎずに、あらかじめ期待値のハードルを下げておいたほうがよいかもしれません。
この記事を書いた人
インテリアコーディネーター
大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。