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「セルフリノベーション フロアタイルの巻③」

自分でできる!フロアタイルの施工方法 後編

内村恵梨内村恵梨

2019/09/19

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フロアタイル用接着剤を塗る


写真①部屋を分割して施工/糊の箱

フロアタイルは部屋の広さによって、基準線から右左で2分の1ずつ施工したり、広い部屋であれば縦横に中心線を引いて4分割にして施工をしたりします。

施工する部分ごとに行う作業は次のようになります。

【1.糊の塗布】→【2.オープンタイム(糊をある程度乾かす)】→【3.フロアタイル貼り】→【4.次の部分の糊を塗布】→【5.オープンタイム(糊をある程度乾かす)】→【フロアタイル貼り】

糊は箱から都度床に落として塗っていくので、糊を出す箱の口の部分が、どうしても糊で“デロデロ”になります。そこで口の部分にあらかじめ養生テープを何重か貼っておくと、片付けが楽になるのでおすすめです。

接着剤(糊)を塗るときは、くし目のついたヘラを使って塗り広げていきます。
糊用のヘラは、18㎏缶の糊を購入すると付いてきたりしますし、ホームセンターやネットショップでも売っています。「のりヘラ」や「スプレダー」「クシ目ゴテ」などと呼ばれます。

このクシ目のついたヘラで糊を塗ると、クシ目の筋ができます。じつはこの塗布時に出来た糊の山と谷が重要です。谷の部分から水分や溶剤、あるいは空気などを逃がし、接着剤を均等に床材に馴染ませる効果があるそうです。

塗り方のポイント

糊を塗るときは、糊ヘラを寝かせず、ある程度立たせて持ちます。自動車のワイパーのように弧を描くような感じで腕を左右に動かしながら、奥から手前に塗っていきます。

糊が多く残ると乾くのが遅くなったり、フロアタイルの隙間からはみ出たりするので、糊だまりがないように気を付けて塗りましょう。

余った糊はヘラですくって箱に戻します。


写真② 糊の筋をつくる

オープンタイムをとる

糊を塗ったら、オープンタイムをとります。クッションフロアと同じで、フロアタイルの施工の際も、糊をある程度乾かしてから貼り付けます。
糊を塗った部分を触って手につかなくなったくらいが貼り時です。

時間の目安は、10-20分。気温や湿度、風の有り無しで変わってきます。窓を開けて風通しを良くしたり、扇風機などで送風したりすると早く乾きます。

貼れる状態になってからの貼り付け可能時間は、60分程度です。この時間を過ぎて完全に乾いてしまうと貼れなくなってしまうので、自分の作業のペースを考えながら部屋を分割して施工を進めることをおすすめします。

フロアタイルを並べて貼っていく

フロアタイルの貼り進め方は2通りあります。職人さんによってやり方が異なりますが、どちらの方法でも基本的には同じです。

1. 基準線に沿って一列ずつ壁に向かって進む貼り方(写真左)
基準線に合わせて、一列目を貼り、以降壁に向かって次の列をどんどん進んでいきます。りゃんこ張り(レンガ張り)の場合は、一列目のフロアタイルのちょうど真ん中に二列目のフロアタイルの目地がくるように置いていきます。
この貼り方では、基本的に部屋の真ん中から両端に向けてフロアタイルを貼っていくので、両サイドは幅に合わせてカットをする必要があります。

2. 片側の壁から進む貼り方(写真右)
こちらの貼り方は、部屋を4分割以上する場合や、乱尺張りの時におすすめです。乱尺張りの場合、まずは1枚のフロアタイルをどこでもいいので適当な長さにカットし、それを基準線上1列目の壁側1枚目として貼ります。そしてその続きに「真物(定尺のままの寸法の材料)」を置きます。2枚目以降も同様です。1枚目をあえて適当にランダムな長さにすることで、無垢フローリングのようにナチュラルな仕上がりになります。
貼り進めていき、反対の壁面にあたるピースのみ幅に合わせてカットをすればいいので、手間が省けます。

フロアタイルを置いた際は、鉄製のローラーで圧着します。
隙間から糊がはみ出てきた場合などは、すぐに濡れタオルなどでふき取りましょう。


写真③ りゃんこ張りの様子と乱尺張りの様子

カットが必要な部分の処理

部屋の大部分は、材料を切らず「真物(まもの)」のままに並べていくことができますが、端の部分はカットが必要になります。定尺でない寸法のものや、角などに合わせてカットした材料は、「役物(やくもの)」と呼びます。

列を貼り進めていき最後の壁側1枚になったときは、写真⑤のようにカットをして、パズルのピースのようにはめ込んでいきます。

フロアタイルは、厚みが2.5~3mmあるので、カッターで一発では切れません。ただ、表面に切り込みを入れ、タイルを折り曲げると、パキッと簡単に折れます。ただし、パキッとならないタイプのものもあるので、その場合は折り曲げた部分にカッターを入れ、切り離します。

ドア枠などの柱や凹凸がある部分は、寸法を測り鉛筆で印をつけ、曲尺をあててカットします。

フロアタイルは、真物の部分はスピーディに進めることができますが、役物の部分はこのようなカットの手順が入るため、時間がかかります。


写真④ 定尺ではない壁側のカット

残りの面の糊を塗り、同じ作業を繰り返す


写真⑤ 凹凸部のカット

部屋の片面、もしくは4分の1を貼り終えたら、同じ要領で残りの部分を進めていきます。
フロアタイルに使用している糊は、服や靴に付いて乾いてしまうととれなくなってしまうので、付いてしまった場合はすぐに濡れた雑巾でふき取りましょう。
フロアタイルの表面に付いてしまって少し乾いてしまった場合は、燃料用アルコールで拭くと落とすことができます。

いかがでしたか?
今回はフロアタイルの施工についてご紹介しました。
DIY施工しやすく、仕上がりの見栄えがとてもいい材料なので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

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この記事を書いた人

匠アカデミージャパン 事務局長 (運営:株式会社イマジンネクスト)

匠アカデミージャパンは2016年に開校した内装リノベーションのスクール。 単にDIYのノウハウを教えるスクールではなく「人生100年時代の大人の学び直し」の場として、副業やセカンドキャリア、定年後の生き生きとしたライフスタイルに生かせる技術を身につけることを提唱している。 講習内容は、クロスや床材の張り替えや、賃貸住宅大家さん向けワンルームの原状回復コースなど、まったくの経験のない方に対してDIYを超えた職人の技を伝授。照明プランニングや内装コーディネートのセミナーなども開催中。 http://www.takumi-ac.jp/

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