「レトロ」ってなに？ ヴィンテージとアンティークの違い

「その服、レトロでかわいいですね」「レトロなお家ですね」
「古い」をポジティブに変えてしまう「レトロ」という言葉。正確にはどんな意味なのでしょうか？ また「レトロ」と似たような言葉で「ヴィンテージ」や「アンティーク」、「クラシック」がありますが、これらの違いはなんでしょう・・・。

目次▼

❶レトロってなに？
❷ヴィンテージ、アンティーク、クラシックの違い
❸レトロと現代の融合「レトロモダン」とは

❶レトロってなに？

＜レトロとは・・・＞
レトロスペクティブ（retrospective）の略語。過去を懐かしむ、回顧的という意味です。時代を感じさせる古いものという意味で「レトロ」と言い表します。
ファッション、インテリア、建築物、ライフスタイルまで、幅広い分野で登場する言葉です。また「昭和レトロ」「レトロモダン」など、他の言葉と組み合わせて使うこともあります。

たとえば「昭和レトロ」は、昭和の雰囲気が漂うノスタルジックなイメージ。そういう雰囲気を放つ雑貨やインテリアなどに「昭和レトロ」という言葉を使います。

〜昭和レトロなアイテム〜

• ちゃぶ台や座布団
• タンス
• 赤や緑などカラフルに作られたポップな色使いの家具
• ビーズののれん
• 大きな花柄がついた家具やキッチン用品

❷ヴィンテージ、アンティーク、クラシックの違い

＜ヴィンテージとは……＞
ファッション用語でも耳にする「ヴィンテージ」。もともとはワインの価値を示すための言葉でした。古いけれど100年には満たないもので、製造されてから30年〜99年経過しているものを示すそうです。

＜アンティークとは……＞
古美術、骨董という意味で、製造されてから100年以上経過しているもの。それに似せたものは「アンティーク調」といいます。

＜クラシックとは……＞
中世〜近世ヨーロッパの宮廷式装飾様式で伝統と格式のあるスタイルです。
「古典的」「伝統的」なインテリアで、たとえば猫足のソファや、花柄のカーテンなどがあります。上品で高級感のある装飾がたくさん取り入れられています。

ちなみに「レトロ」には、年数などの基準はなく、あくまで「古く懐かしい感じがする」という印象を表現しているようです。

❸レトロと現代の融合「レトロモダン」とは

＜レトロモダンとは……＞
懐かしさを感じる古風な雰囲気の中に、近代的・現代的な要素を感じられるインテリアデザインのこと。たとえば古民家リノベーションなどもレトロモダン。昔ながらの住宅に現代的な設備や家具、小物などを合わせたりします。そして、「レトロモダン」は、国によっても雰囲気がガラリと変わります。

• 日本のレトロモダン
  日本家屋の梁を残したり、箪笥などの小道具、籠、藍染の暖簾などの和風なアイテムがよく合います。
• アメリカのレトロモダン
  コンクリートむき出し、レンガ模様や、古木の模様などの壁紙。工業的で無機質な素材が合います。真鍮（しんちゅう）やアイアン、革張りのソファなどでカッコイイ雰囲気を演出したり。 個性を出したい場合は、国旗のタペストリーや、赤や黄色などハッキリした色のポスターなどを飾ってアクセントにするのもいいかもしれません。
• 北欧レトロ（北欧ヴィンテージなどともいう）
  北欧インテリアの特徴は、使いやすくシンプル。白色を基調とするアイテムも多く、奇抜ではないため飽きがこないです。模様がある場合も自然をモチーフにしたものが多いので、他のインテリアの邪魔をしません。そこに温かみのあるヴィンテージ風のアイテムを加えていきます。たとえば木目がハッキリとした木製のテーブルや、暖色の照明器具など。シンプルな北欧インテリアにレトロが加わって、さらに魅力的なお部屋になります。

＜あとがき＞
レトロな物には、それを使ってきた人たちの温かみや時間を感じるのが不思議です。そんな物たちに囲まれた空間は、きっと落ち着くでしょうね。

＜絵・文／ながれだ あかね＞

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