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建築業界がクレーム産業と呼ばれる理由(1/2ページ)

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皆さんが建築業界と接する機会は、それ程多くはないとおもいます。多分殆どの方が、一生に一度ぐらいでしょうか。当然、あまり詳しくない方がその殆どでしょう。これからかかわる方には、是非知っておいていただきたい内容です。

孫子の兵法にもある
「彼を知り 己を知れば 百戦あやうからず」
その為の情報だと思ってください。

まず今回は、他業界との違いと主な問題点からお話します。建築業界は、実はクレーム産業と呼ばれています。その名の通り、クレーム・トラブルが頻発している産業界です。これは、昨日今日の話ではなく ずっと以前から陰でそう呼ばれています。一番の契機になったのは、昭和40年代から昭和50年代にかけての住宅ラッシュです。

それ以前の日本は、一般の方が住宅を取得する事自体考えられない世の中でした。もちろん住宅ローン(※1)自体が存在していませんから、限られた一部の人達だけの事でした。

※1 住宅ローン

その名の通り、住宅購入や建物の新築等の際に借りるローンです。住宅ローンが生まれたのは、昭和42年です。その頃の大工さんや工務店は、本当の意味で芸術家の様な職人が多く、その世界で一人前になるのも大変な時間と修行が必要でした。

当然、クレーム産業の時代ではありません。規制の緩和や持ち家を奨励する政策転換を機に住宅ラッシュが起こり過去例にないほどの住宅需要が発生しました。もちろん既存の職人さん達では、手に負える数ではありません。更に折からの好景気の波に乗って、需要は拡大の一途でした。

当然、にわか大工や他業種からの参入も多くこの業界にはいってきました。実数の上では、参入者が元からこの業界を支えていた人達を上回ってしまいます。

更に、時代が進むにつれて組織化・法人化されて規模も拡大されていきます。大資本による合理化・技術開発・商品企画・商品開発が加速度的に進んでいきます。今でいえば、大規模商業施設と地元商店街の戦いの様でもあります。

一方、古来からの職人さんの世界では、大企業相手の商売を課され価格・性能・新技術・最新の意匠などの要求もふえつづけ、更にはスピード・価格競争 等の問題をつきつけられ、職人さんの徒弟制度まで崩壊へと進んで行きます。

ある意味当たり前の流れと思われがちですが、ちょっと待って下さい。建物を建てる、建築すると言う事はどの様なものなのか? 整理します。

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