空室対策にとって満室状態をキープする努力よりも大切なこと(2/2ページ)
尾嶋健信
2016/08/31
「満室」ではなく、「満室にする努力」をキープする
空室対策について、これまで数回に分けて解説してきましたが、ここで再度、私が考える空室対策の定義を掲げておきます。
「空室対策とは、所有する不動産物件に対して、満室である確率を最大限に高める、新規客に向けての対策のこと」
改めて、ポイントを指摘しておきましょう。重要なのは「満室である確率を最大限に高める」というところ。言い換えれば、常に満室状態を維持することが重要なのではなく、満室である確率を最大限に高めていればOK、ということです。
なぜ、わざわざこんな指摘をするかというと、オーナーさんがどんなに頑張っても、空室はかならず生まれるものです。ある空室を苦労して埋めた途端、別の入居者が何らかの事情で退去する、なんてことも珍しくないからです。
空室対策に「これで終わり」はありません。結局はモグラ叩きのように、空室が出ては埋める、の繰り返し。つねに満室状態をキープすることは至難の業なのだと心得ましょう。そうでないと、空室が出た途端、「一日も早く満室にしなければ!」と自分自身にプレッシャーをかけてしまい、ストレスばかりが溜まってしまいます。そんなことでは、賃貸物件オーナーを長く続けることはできません。
満室をキープするのではなく、満室になる確率を高める努力をキープすること。確率を高める努力さえしていれば、それでOKなのだと考えましょう。それこそが、大家業を長く楽しく続けていくコツなのですから。
この記事を書いた人
満室経営株式会社 代表取締役
1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。