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「知識ゼロからの民泊ビジネスがっちり成功術」 鶴岡真緒さんに聞く

4000円で始めて12件を運営中! 「MAO流Airbnb」の極意とは?(1/2ページ)

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きっかけは東京オリンピック

英語もできない、資金もない、不動産もなかったシングルマザーの鶴岡さん。自宅の寝室をゲストハウスにしたことに始まり、いまでは東京に9件、京都に3件の計12件を運営しています。ゲストに喜んでもらうことが何よりも嬉しいという鶴岡さんに、ゲストハウス運営の楽しさと「MAO流Airbnb成功術」についてお聞きしました。

——鶴岡さんが民泊に興味をもったきっかけからお聞かせいただけますか?

鶴岡 私が「民泊」に興味をもったのは、2013年9月のことでした。2020年の東京オリンピック開催が決まり、訪日外国人を自宅に泊めてあげたいと考えたんです。だって、オリンピックを前にホテルが足りなくなることは明らかでしたし、せっかく日本に来てくれたのに泊まる場所がなかったら大変だって思ったんです。

当時、中学生だった娘とふたりで「英語ができなくても大丈夫かな?」「空港にプラカード持って迎えにいく?」「一緒に観光したら楽しそうだね」なんて話ながら、どうやってゲストを見つけようかと考えていました。ホームページをつくっても見つけてもらえないだろうし、何かいい方法はないか、周りの人にも事あるごとに聞いていたんです。そんなときに教えてもらったのがAirbnbでした。ちょうど民泊に興味をもってから1年弱、2014年4月のことでした。

——Airbnbの存在を知って、最初はどんな印象をもたれたましたか?

鶴岡 「すごい!」と思いました。何がすごいって、集客もしてくれる、集金もしてくれる、保険もある、ありとあらゆるプラットフォームが整っているのに、手数料は宿泊料金の3%だけ。たった3%ですよ!

こんなこと普通のビジネスではあり得ないですよね。だから、本当のことをいうと、最初は、怪しいんじゃないか、後から何かを請求されるんじゃないかと思いました。そこで自分なりに調べてみたのですが、調べていくうちに、実際にAirbnbで部屋を貸している人のブログをいくつか見つけて、「じゃあ自分でもやってみよう!」と思ったんです。

そう決めたら即行動。すぐに部屋の準備をして、Airbnbに掲載しました。そうしたら、すぐに問い合わせが入って…。Airbnbのことを知ってから、4日後には初めてのゲストを自宅に迎えていましたね。ちなみに、初ゲストは新潟で語学留学をしていたアフリカの女の子でした。

「やってみてダメだったら止めればいいか」でスタート


鶴岡さんが運営するゲストハウスの一室。ベッドの上には”おもてなし”の花が置かれている

——すごい行動力ですね。不安はなかったのですか?

鶴岡 私は人が大好きなので、不安どころか、本当に楽しみでした。地方に住んでいる友達が泊まりに来る、親戚の人が泊まりに来るといった感覚です。日本人の感覚としては、知らない人を家に泊めるというのはハードルが高いと思いますが、海外から友達が来るって思えば楽しいじゃないですか。みなさん、むずかしく考えすぎです。

とにかくやってみてダメだったら止めればいいか、といった程度に考えていましたし、準備といえば、家のなかを掃除して寝室の私の荷物を娘の部屋に移動したことと、ベッドカバーのセットを買ったことくらいです。初期費用はベッドカバー代の4000円だけ。たったこれだけの手間で、ゲストが泊まりにきてくれたんです。

——民泊に興味をもっている人は多いと思いますが、鶴岡さんと同じように、まずは自宅で始めてみるというのがよさそうですね。

鶴岡 それがいいと思います。ただし、家族の問題はクリアしないといけませんね。私の知り合いで、Airbnbを始めた人のなかには、2カ月も3カ月もかけて家族を説得したという人もいます。ある女性は、旦那さんがなかなか「YES」と言ってくれなかったのですが、「収入の10%をお小遣いとして渡す」という条件を提示したところ、ようやく「YES」を引き出せたそうです。

必ずしもお小遣いを渡さなくても、たとえば家族で海外旅行に行くための費用にしようとか、ゲストを受け入れるのは月に何日までにしようとか、子どもたちも一緒に、目的や条件を家族で話し合って折り合いをつけていくことが必要なんだと思います。

それに、何よりもお子さんにとってはプラスだと思うんです。日本にいながら自分の家が世界中のいろいろな国に変わるわけですから。たとえば、お子さんがゲストとの交流を通して、海外に興味を持って本を読んだり、語学の勉強を始めたりといったことがあるかもしれません。事実、私の娘は英語がものすごく上達しましたし、日本の高校ではなく、カナダの高校に行くことを自分で決めて、この4月から留学しています。

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この記事を書いた人

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