バラバラ殺人事件で有名になったマンションの末路(2/2ページ)
尾嶋健信
2016/05/18
事故物件には告知義務があるはずだが…
不動産業者が事故物件を販売・賃貸する場合、本来であれば、事故物件であることを買い主(借り主)に告知しなければなりません。なぜなら、宅地建物取引業法(宅建法)の規定により、宅地建物取引業者は売り主(借り主)に対して、重要事項の告知義務があるからです。
「その物件で過去に人が異状死した」という事実は、過去の判例においても心理的瑕疵と認定されていますから、宅建業者としては当然、重要事項として売り主(借り主)に告知しなければなりません。
とはいえ、人が亡くなった事故や事件について、「過去」にどのくらいまでさかのぼって告知すればいいのか、明確なガイドラインは決まっていません。また、どこからどこまでを「異状死」と見なすかについても、明確な線引きがあるわけではありません。
つまり、事故物件に対する告知義務は、グレーゾーンがきわめて大きいのが現状です。そのあたりのお話については、次回改めてお伝えしたいと思います。
この記事を書いた人
満室経営株式会社 代表取締役
1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。