投資用の不動産を買うときの仲介手数料はどれだけかかる?
浅井佐知子
2016/02/27
不動産購入時の支出は7つ
不動産を購入するときにかかる諸経費は、以下の7つに大きく分けられます。
●仲介手数料
●印紙代
●不動産登録免許税
●不動産登記手数料
●固定資産税
●不動産取得税
●保険料(火災保険など)
これらの諸経費については、物件購入価格の1割ほどが目安となります。つまり、1000万円の物件を購入する際には、1100万円ほどかかるということです。
仲介手数料とは何か?
諸経費のなかでいちばん大きな額になると思われるのが、仲介手数料です。これは、不動産会社を通して不動産を購入したときに、不動産会社に支払うものです。
仲介手数料は、以下の式に当てはめて計算します。
●200万 円以下の部分…5パーセント以内の額
●200万円超400万円以下の部分…4パーセント以内の額
●400万円超の部分…3パーセント以内の額
これを1000万円の不動産にあてはめると、
●300万円×5パーセント=10万円
●200万円×4パーセント=8万円
●600万円×3パーセント=18万円
で合計36万円となります。
実は400万円を超える物件の手数料については「物件価格×3%+6万円」(税抜)でも求められます。
●1000万円×3パーセント+6万円=36万円
となり、先程の計算式と同額になりました。とはいえ、この36万円という金額はあくまで上限ですので、交渉次第では下がることもあります。
仲介手数料不要の不動産
この仲介手数料の金額の価値をどのように考えればよいのでしょうか? 不動産会社は、買い主の代わりに物件の紹介・案内・調査・引き渡しまでの段取りをやってくれるので、これくらいの金額は妥当かと思います。しかし、かなりの高額であることには変わりないので、仲介手数料のかからない不動産についても紹介しておきます。
仲介手数料は、その名の通り物件の仲介をする不動産会社に支払うお金ですので、売り主から直接購入する場合は仲介人がいないので手数料は発生しません。この売り主には「個人」と「不動産業者」の2パターンがありますが、不動産仲介業者を間に入れず、個人同士で売買するのは現実的ではありません。
売り主が個人で、不動産会社が仲介に入らない場合、個人と個人の取引になるので物件の調査やローンの申し込みなどはすべて自分でやらなければいけません。不動産業を経験していない人にとっては、専門的知識も必要になることからかなりハードルが高いといえます。売り主が個人の場合は、費用は別途かかってしまいますが、調査や契約を代行してくれる業者に頼むのが現実的です。
また、売り主が不動産業者の場合は、新築物件も中古物件も仲介手数料は発生しません。中古物件でよくあるのが、不動産業者が買い取った後にリフォームして転売しているものです。ただ、このような物件には不動産業者の利益が上乗せされているので、割高になっている場合が多いです。
このパターンでおすすめなのは、決算期前に在庫を減らす目的で物件価格を下げることがあるので、そのタイミングを狙うことです。また、何カ月も売れ残っている物件は売りづらくなってくるので、そういう物件も値段が下がりやすくなります。
このような物件に出会えたときは、購入タイミングを見計らって、より安く手に入れられるような戦略を立てて臨みましょう。
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この記事を書いた人
不動産鑑定士
大学卒業後、不動産会社で10年間営業を経験。その後、不動産鑑定士として活躍。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としても豊富な実績を持ち、アパートの賃貸から、土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産投資コンサルと合わせて計5000件以上の案件をこなす。きめ細やかなサービスで不動産投資家からの支持を得ており、その最後の集大成として、個人の投資家が絶対に失敗しない、幸せな投資家になれる啓蒙活動を行っている。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書 一年生』、2021年1月出版の新刊『世界一楽しい 不動産投資の授業』がある。