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知っておくべき不動産投資のリスク(2/2)

金利変動等のリスクのほか保有コストも知っておこう

大倉修治大倉修治

2016/02/17

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リスク3 金利上昇リスク

将来、金利が変動するタイプのローンを利用した場合、金利の上昇によって、ローンの返済額が増えるリスクがあります。あらかめ固定金利のローンを選択するといった対策も考えられますが、固定期間中にローンを繰り上げ返済すると金額的にそれなりのペナルティが発生する場合があることには留意する必要があります。

アパートローンの場合、固定期間中(=固定金利特約期間中)に繰り上げ返済を行なうと、繰り上げ返済解約金などの名目の費用を支払わなければならない場合があります。

たとえば、オリックス銀行の場合、繰り上げ返済元本金額に対して2パーセントの繰り上げ返済解約金を支払うことになる場合があります。みずほ銀行では固定金利型のローンの場合、原則、繰り上げ返済ができないとされていて、それを例外的に認める場合は「当行所定の損害金をお支払いいただきます」といった取り扱いになります。

変動金利型のローンの場合でも繰り上げ返済を行うと手数料がかかることが多いですが、総じて固定金利型ローンの繰上返済のほうが費用(ペナルティ)が高くなっているのです。

アパートローンの場合、固定期間中(=固定金利特約期間中)に繰り上げ返済を行なうと、繰り上げ返済解約金などの名目の費用を支払わなければならない場合があります。

たとえば、オリックス銀行の場合、繰り上げ返済元本金額に対して2パーセントの繰り上げ返済解約金を支払う必要があったりします。みずほ銀行では固定金利型のローンの場合、原則、繰り上げ返済ができないとされていて、それを例外的に認める場合は「当行所定の損害金をお支払いいただきます」といったような取り扱いになっています。

変動金利型のローンの場合でも繰上返済を行うと手数料がかかることが多いですが、総じて固定金利型ローンの繰上返済のほうが費用(ペナルティ)が高くなっています。

一般的に金利が上昇すると、安全性・確実性が高いとされる預金や国債などへの投資を行なう人が増えることが想定されます。それが結果的に不動産価格に影響を与えることもあります。

ただし、中長期的に見た場合、金利上昇の背景が、景気回復に伴うものであれば、賃料や不動産価格の上昇も見込めますので、結果的に金利上昇による収益の悪化を軽減できるという見方もあります。

また、不動産投資において、金利は不動産所得の計算をする際に必要経費に含めることができます。その結果、一定の税務効果が得られますので、住宅ローンと比べると金利上昇の影響は小さいともいえます。

リスク許容度等を勘案した上で、自己資金の比率を高めるなどの対策が無難といえます。

リスク4 流動性リスク

一般的に不動産(現物不動産)は、一般の金融商品に比べて流動性が低い(売ろうと思ってもすぐには売れない)といえます。急にお金が必要になったときに、すぐに現金化できないので注意が必要です。

また、不動産は売り買いのコントロールを自分ひとりで行なうことが困難です。取引の相手を見つけることはもちろんのこと、後々トラブルにならないように契約書等を作成すること、代金の決済、所有権移転等の登記の手続きなど、すべてを自分で行なうことは容易ではないからです。

ただ、「現物不動産」ということで、流動性が一律に低いというわけではありません。ワンルームマンション等の「区分所有の物件」と「一棟もの」では流通量が異なります(区分所有の物件のほうが多い)し、立地条件等によっても需給関係は変わってきます。購入する物件によって、流動性の高低にも違いが出てくるということです。

リスク5 災害等のリスク

火災、地震、台風や集中豪雨に伴う水災(床上浸水や土砂崩れ)、風災(屋根が飛ぶなど)などによって投資対象となる建物に損害が出ることで収益性が悪化することになります。

大きな地震については今後も懸念されるところです。事前に、建物の耐震性(建物の構造だけでなく土地の地盤についても)についてはチェックしておくべきでしょう。一般的には、昭和56年6月1日以降の新耐震基準施工後の建物については安全と考えられていますが、一概にそうともいえないこともあるようです。

水災の危険性については、事前に物件が所在する地域のハザードマップ等でチェックしておくとよいでしょう。なお、災害時のリスクに関してはある程度、火災保険や地震保険等でカバーすることが可能です。火災保険・地震保険の詳細については、また別の機会にお話ししたいと思います。

リスク6 取引時および保有時のコストが高い

不動産は株式投資等と比べると取引時や保有時のコストが高いです。不動産業者の仲介により不動産を売買する際には仲介手数料が物件価格の概ね3パーセント(売買で計6パーセント)かかります。また、取得時には不動産取得税や登録免許税、印紙税等、売却時に売却益(譲渡益)があればそれに対して課税されます。

さらに保有時には、固定資産税・都市計画税、維持管理・修繕に伴う費用が発生します。

維持管理・修繕に伴う費用とは、水道光熱費などの実費の他、入居者やテナントの募集、入居者に対する賃料請求、入金業務といった入居者の管理業務にかかる費用、日常清掃業務、定期清掃業務、保守・点検、警備業務といった建物の経済的価値を適正に維持管理及び原状回復するための費用などです。

入居者の管理、建物の維持・管理といった業務を、不動産管理会社等に任せる場合には、不動産管理会社に管理手数料を支払うことになります。管理手数料は、どこまでの業務を委託するかによって、その金額は異なってきます。費用(コスト)対効果(管理の質の向上によって見込める収益のアップ)を勘案した上で、業務を委託したほうがよいでしょう。

なお、家賃収入に対しても、税金計算上、黒字の賃貸経営であれば課税されます。税金計算の仕組みについては改めてお話しします。

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この記事を書いた人

CFP、1級ファイナンシャルプラニンング技能士

DCマイスター、宅地建物取引士 1972年生まれ。立教大学卒業。学生時代はラグビー部に所属。 大手住宅メーカー、 住宅・マンションディベロッパー、外資系生命保険会社を経る過程で、お客様にとって「偏りのない納得性の高いアドバイス」を提供したいという思いから、20世紀末より、ファイナンシャルプランナー(FP)としての業務を始める。

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