不動産投資の専門用語を知っておこう
浅井佐知子
2016/02/23
不動産関連用語あれこれ
まずは、知っておきたい不動産関連用語を紹介しましょう。
(1)「所在地・地番」
所在地とは、郵送物などが届くいわゆる住所を指します。地番は、法務局が管理している土地固有の番号です。中には、地番=住所になっているエリアもあります。
(2)「所有権・借地権」
不動産には、所有権だけではなく借地権も存在します。借地権とは、地主から土地を借りて建物を所有することで、土地の固定資産税は地主が払いますが毎月の地代が発生します。また、所有権よりも借地権のほうが融資のハードルが高くなります。
(3)「建ぺい率」
土地の大きさに対する「建築面積」の割合です。上空から見た場合、敷地に対してどれくらいの割合で建物があるかをイメージするとわかりやすいと思います。
(4)「容積率」
土地の大きさに対する「建物の延べ床面積」の割合です。全フロアの面積の合計を土地で割ることで産出されます。建ぺい率と容積率によって建物の大きさが変わるので、不動産の価値そのものにも大きな影響を与えます。これらの率は、火災の際の非難を目的とした法律に基づいて定められています。
(5)「建ぺい率・容積率オーバー」
これらの率はエリアによって最大値が定められています。なかには、これらの率を超えた「違反建築物」と、後から法律が変わったことで数値を超えてしまった「既存不適格建築物」があります。これらの物件は金融機関が嫌がるので、融資がつきづらい傾向にあります。
(6)接道
物件と接している道路を指します。接道条件が悪かったとしても、価格に反映されていれば大丈夫です。
(7)SRC・RC・S
SRC=鉄骨鉄筋コンクリート構造、RC=鉄筋コンクリート構造、S=鉄骨構造のことで、SRCとRCは頑丈なことから融資がつきやすい傾向があります。
(8)新耐震・旧耐震
1981(昭和56)年6月1日以降に着工された建物を「新耐震」、それ以前の建物を「旧耐震」と呼びます。融資の可否に大きく影響します。
(9)諸費用
登記費用・仲介手数料・契約書に貼る印紙など、不動産の売買に必要な費用の総称。目安として、売買価格の7~8パーセントほどかかるといわれています。1000万円の物件であれば、70~80万円の諸費用がかかるイメージです。
(9)路線価
国が毎年発表している「相続性路線価」のことで、相続税や贈与税の評価に使用されます。
(10)実勢価格
実際に売買される価格のことで、近隣の取引事例や販売中の物件の相場などから算出します。
金融関連用語あれこれ
続いて、知っておきたい金融関連用語を紹介します。
(1)キャピタルゲイン
売買差益。物件を買った価格から売った価格を差し引いたもので、マイナスになった場合は「キャピタルロス」と呼びます。
(2)インカムゲイン
定期的収入。不動産投資における賃料収入のことです。
(3)利回り
通常は表面利回りのことを意味し、「満室時の年間賃料収入の合計÷物件購入価格」のことです。実質利回りという数字も存在し、これは「(満室時の年間賃料収入の合計-年間支出)÷物件購入価格」で算出されます。
(4)フルローン・オーバーローン
購入する不動産価格をそのまま借入れするのがフルローン、諸費用まで借入れするのがオーバーローンです。オーバーローンの場合、物件売却後もローンが残ってしまうことが少なくありません。
(5)法定耐用年数
減価償却期間の算定基準となる年数で、住居用の木造建物は22年、住居用のRC及びSRC建物は47年となっています。
このような専門用語を知っておくことで、不動産投資を始める際、行なっている際に業者とのコミュニケーションがスムーズになったり、情報の理解がすばやくなったり、スピーディーに的確な判断をしていくことができるようになります。
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この記事を書いた人
不動産鑑定士
大学卒業後、不動産会社で10年間営業を経験。その後、不動産鑑定士として活躍。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としても豊富な実績を持ち、アパートの賃貸から、土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産投資コンサルと合わせて計5000件以上の案件をこなす。きめ細やかなサービスで不動産投資家からの支持を得ており、その最後の集大成として、個人の投資家が絶対に失敗しない、幸せな投資家になれる啓蒙活動を行っている。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書 一年生』、2021年1月出版の新刊『世界一楽しい 不動産投資の授業』がある。