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入居希望者の本音に迫る! 約600人に調査 賃貸の常識に変革を求める声───礼金や仲介手数料を疑問視

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大家さんにとって、「お部屋探しをする人の考えていること」は気になるテーマではないでしょうか。今回は、現在の「お部屋探し」に関する意識調査を全国の入居希望者会員を対象に実施しました。(文/佐藤 美月)

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「お部屋探しに関するアンケート」調査概要
調査期間:2024年9月17日~2024年10月5日
調査対象:ウチコミ!入居希望者会員
調査人数:582人
調査方法:株式会社ウチコミによるインターネット調査
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初期費用に不満 比較検討する人9割以上


80.4%が「物件の初期費用の中に不必要と感じる項目があった」と回答。


93%が「複数のサイトや不動産会社を比較して初期費用が安い物件を探す」と回答。

インターネット、特にSNSの普及により、あらゆる情報が簡単に手に入るようになりました。昨今、10~30代を中心に「払わなくていい初期費用の項目」や「(同じ物件でも)部屋探しをする間口によって仲介手数料などの費用が変わる」などの発信を目にする機会が増えています。お部屋探しにおけるリテラシーが高まっていることで、「提示された情報を鵜呑みにせず、自分で調べ直したり交渉したりする傾向が高まっている」と話す業界関係者もいます。

「初期費用の安さ」は入居の大きな決め手


80.1%が「初期費用が安ければ、築年数や設備面が多少希望と違っても候補にする」と回答。

 
61.8%が「希望のエリア以外でも、初期費用が安ければ検討する」と回答。

株式会社リクルートが賃貸物件の入居者を対象に行った調査によると、入居の決め手となった項目として、エリアや駅からの距離に次いで「初期費用」は上位3番目にランクインしています。初期費用は、物件や問い合わせ方法によって数万円単位の違いが生じることも少なくなく、入居希望者にとってはインパクトの大きい項目です。大家さんにとっては、築年数や設備で不利な条件があったとしても、初期費用を工夫することで、競争力を高めることができるのです。


2023年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)/(株)リクルート

 “大家さんと直接”が安心とスピード感に


87.3%が「大家さんの人柄が事前に分かった方が安心」と回答。

部屋探しの際に、物件の設備や立地といった条件が重視されると同時に、「入居後の設備トラブルなどへの対応において、大家さんがどういったスタンスなのかがわかっていると安心」や「わが子の初めての一人暮らしなので、親としては、親身になってくれる大家さんだと理想」といった声が聞かれました。また、「大家さんとやり取りできる場合、直接確認できるため話の進みが早い」といった入居までのスピード感をメリットとする意見もありました。

業界の慣習を疑問視 取引の透明性を求める声

今回の調査では、賃貸契約における「礼金」や「仲介手数料」、「更新料」などの慣例的な費用など、請求される金額の正当性に多くの疑問が寄せられました。また、「知識がない人は足元を見られる」や「一部業者の囲い込みにより、業界内の競争が不十分なのでは」といった声も聞かれます。

迅速で誠実な対応や費用の明確化を求める意見も多く、入居者はより透明性の高い取引を求めていることが明らかになりました。


 ◼アンケートで寄せられた声

(自由回答/一部の回答を抜粋/原文ママ)

・ここは日本ですので、日本のルールがあるのは当然ですが、以前カナダに住んでいた時、2か月分のデポジットを払い契約をすれば部屋は比較的簡単に借りられました。日本の賃貸契約にも良い部分・悪い部分はありますが、一部費用にグレーな部分もあると感じます。退去時など不安を感じてる方も多いのではないでしょうか。

・礼金の仕組みが現代に合っていないと思う。不動産会社やその先のオーナー(会社)は、『貸してあげている』という印象が強い。更新手数料が何に使われているか不明瞭なのに、家賃1ヶ月を支払うのは負担に感じる。

・「仲介手数料」を借り主から1ヶ月分取るのはどうかと思う。

・毎回引っ越しの際に思うのは、結局最終的な決め手は迅速さと人柄かと。なるべく希望に寄り添って、寄り添えない部分は正直である事(希望条件、予算など)不安にならないご説明、提案、途中経過のご連絡もありがたいです。


貸す人・借りる人・会社 三方良しの業界構造へ

賃貸業界における問題点を単純化すると、3つに絞り込むことができます。入居希望者にとっては「入居する際の初期費用がかかりすぎる」こと、大家さんにとっては「広告料(AD)な賃貸業界における問題点を単純化すると、3つに絞り込むことができます。入居希望者にとっては「入居する際の初期費用がかかりすぎる」こと、大家さんにとっては「広告料(AD)など入居者を募集する経費がかかりすぎる・今後高くなる」こと、不動産会社にとっては「サイト掲載料などの集客コストがかかりすぎる」ことです。

いずれの問題も、介在する業者の多さや業者と生活者の情報格差により業界構造の複雑さに起因します。

ウチコミ!は「大家さんと入居希望者が直接やり取りができる」仕組みを通じて、三者すべての立場における中間手数料の削減や取引の透明性を向上し、安心で公正な業界構造の実現を目指してまいります。

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この記事を書いた人

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