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『⼈×⼈×⼈』ウチコミ!トライアングル

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北鎌倉にある『HAREYA鎌倉』。ここは、⼈と⼈との縁をつなぎ、⾮⽇常を楽しむことができるコミュニティースペースだ。このスペースを運営する津下恵⼦さんの前職は「セラピスト」。⼈に寄り添い、専⾨的な知識に基づいてさまざまな悩みを抱えている⼈たちのケアを⾏ってきたと⾔う。そんな津下さんは、築古⼾建てを購⼊、リフォームし賃貸物件として貸し出す賃貸住宅オーナーの顔も持つ。今までの経験が、どのようなかたちで賃貸経営に⽣かされているのか話を聞いた。(取材/尾崎 光  佐藤 美⽉・⽂/編集部)

⽗から受け継いだ“顔の⾒える⼤家”

——HAREYA鎌倉は素敵な空間ですね。

元々、セラピストとして働いていたり、ヨガをやっていた経験もあって、いろんなイベントができる場所を作りたかったんです。HAREYA鎌倉では、ヨガ教室や、シルクサスペンション体験会などを⾏っています。ほかにもさまざまな体験ができるスペースとして、利⽤する⽅々が⽇常を離れ、初めての体験に触れることで⼼地よく過ごしてもらいたいと思っています。


津下恵子オーナー。新感覚の空中エクササイズ「シルクサスペンション」の講師も務める

——賃貸経営を始めたきっかけを教えてください。

実は、実家が⼤家業を営んでいて、祖⽗の時代からなので私で3代⽬になります。今は実家の賃貸経営は甥っ⼦に任せていますが、⾃分でも3年前から物件を購⼊し、賃貸経営を始めました。主⼈がハウスメーカーに勤務していて、10年前から築古物件を購⼊し不動産投資を始めていたことも影響していますね。でも、まさか⾃分が⼤家業をやるとは思っていなかったんです。コロナ禍でセラピストの仕事が少なくなり、夫から「⼿伝ってほしい」と⾔われ、「そういえば、私は⼤家の娘だった!」って思い出して(笑)。⼿伝いながら、⾃分でもやるようになりました。⽗の影響もあって、“⼤家業”が昔から⾃分の中で当たり前にあることだったので、その魅⼒に気が付かなかったんですね。さらに、セラピストの仕事と⼤家業って意外にも共通点があるんですよ。

——共通点とはどんなことですか。

セラピストも⼤家も、⼈の⼈⽣に関わる仕事。⽣きてきた年数だけその⼈の歴史があって、どちらの仕事も“その歴史を引き受ける”ということだと思うんです。⼤家業って、昔は家賃も⼿渡し、何かが壊れれば⼤家である⽗が⾏って直したりすることが当たり前でした。私から⾒る⽗の姿は、“顔の⾒える⼤家”。

ですが顔の⾒える⼤家にもデメリットがあって、⽗は、家賃の⽀払いが滞っていた⼊居者さんから家賃回収ができずに、1年もの間タダで住まわせていたんです。顔が⾒える分、⾔いづらかったんでしょうね。ただ、それでも住まわせていた理由は、お⾦よりもその⼈の⼈⽣を引き受けていたんだな、と思いました。

今は管理会社や家賃保証会社が間に⼊ることで、⼊居者トラブルを引き受けてもらえるようになり、良くも悪くも⼤家の顔が⾒えないことが多いですよね。セラピストも顔を⾒てその⼈に寄り添う、⼈⽣に寄り添うことが多いので、⽗の⼤家としての姿に重なる部分があるんです。

——お⽗様の経営⽅針を受け継いでいるのでしょうか。

そうですね。⾃主管理をしながら“顔の⾒える⼤家”でやっています。ウチコミ!はそんな私の経営⽅法に合っていて、⾃らできることがたくさんあるので活⽤させてもらっています。私の所有する物件のほとんどがウチコミ!で成約しているんですよ。ほかの不動産会社にも募集依頼をしなくちゃな、と思っていたんですが、不動産会社ってたくさん物件を扱っている分すぐに動けないじゃないですか。そんなこと考えていたら、ウチコミ!で問い合わせがきて成約までつなげることができたので助かりました。

ウチコミ!に掲載すればなんとかなる

——築古物件が多いとのことですがリフォームはどのようにしていますか。

しっかりターゲットやコンセプトを決めています。以前に参加していた⼤家の会で学んだことを取り⼊れて実践しています。ウチコミ!ではいくつか成約しているんですが、『和モダンハウス横浜保⼟ヶ⾕』は、20〜30代の若い⼈をターゲットとし、コンセプトは和モダン、⼒を⼊れたのは浴室です。⽯張りにして旅館⾵にしました。


旅館を感じさせる石張りの浴室 before(左)after(右)

さらに、物件名にPRポイントや特徴を組み込むようにしました。これも大家の会で教わったことです。物件名にも情報があるってよく考えるとすごいですよね(笑)。

——ウチコミ!を実際使ってみていかがでしたか。

ウチコミ!の仕組みが分かったときは「すごい」って衝撃でした。⼤家⾃⾝が募集情報を出すだけではなく、内⾒に⽴ち会うこともできる。それってすごいことだと思うんです。だって⼤家が説明した⽅が、物件の良さや想いを伝えることができるはずですよね。

使いこなすごとに、「ウチコミ!に掲載すればなんとかなる」って思うようになりました。もしかしたら、特徴のある個性的な物件ほどウチコミ!は決まりやすいかもしれないですね。特徴があると、それを直接伝えられることはすごいメリットですから。

——直接やりとりすることで感じたことはありますか。

私の物件はペット飼育可能なんですが、最近のペットの種類に驚きました。⽝・猫は当たり前ですが、⼊居希望者さんから「カワウソは⼤丈夫ですか」って問い合わせがあったんです(笑)。飼育⽅法を聞いたら「猫と同じですよ」と。それでOKしましたが、ウチコミ!はペットを飼育する⼈(⼊居希望者)がどんな⽅なのかということが、⼤家⾃⾝で分かるのはいいと思いました。飼育⽅法も分からないような特殊なペットだったとしても、この⼈なら……って思えれば安⼼して貸せます。仲介会社を通すと、⼤家に相談なく「それは……」ってことにもなりかねないですよね。

さらに、エージェントさんは⼤家にとってすごく⼤事な存在です。知識や経験がある分、さまざまなアドバイスもくれるんですよ。

——オーナー、⼊居希望者、エージェント、3者のトライアングルがうまくつながることで成約に結びつくんですね。

ウチコミ!の集客力は目覚ましく伸びている オーナーの努力次第で問い合わせは増える!

『和モダンハウス横浜保⼟ヶ⾕』を成約へと導いた、担当エージェントと津下オーナーの対談。成約までは、メッセージや電話のやりとりのみで意思疎通していたという。今回初めて顔を合わせて話をする2⼈に、成約までの経緯を聞いた。


この対談で初めて顔を合わせた津下オーナー(左)と担当エージェント(右)

津下オーナー:『和モダンハウス横浜保⼟ヶ⾕』は、ウチコミ!に掲載してから10件くらいの問い合わせがあったと思うんですが、なかなか決まらなかったんです。そのときにエージェントさんに「家賃を下げようかな……」って相談しましたね。

エージェント:ちょうどそのときに、⼊居希望者さんから「家賃下がりませんか」って問い合わせもありましたね。ですが、⾃分は「下げる必要はない」と思いました。

津下オーナー:そのときの⾔葉はすごく覚えていて、⼒になりました。私なりに物件に想いもありましたし、リフォーム費⽤もかけていたので下げたくはなかった。代わりにフリーレントの代替え案を提案してくださいましたね。

エージェント:津下オーナーは、この地域に“ここにしかない”という物件をつくられています。問い合わせが複数ある時点で物件⼒はあるんです。これだけ問い合わせがあるのに、家賃を下げるのは違う、この物件なら決まると思っていました。ここに⼊居する⼈は若い⼈だろうなと思い、今回の⼊居者さんが来たときはイメージがぴったりだったので「絶対決める」と⼒が⼊りましたね。

津下オーナー:そうだったんですね、ありがとうございます。⼊居希望者さんからの質問や改善してほしいところなども詳しく伝えてくれたので助かりました。

エージェント:今回の⼊居者さんが最終的に決めた理由は、「オーナーさんが迅速に対応してくれた安⼼感」だと思います。内⾒時に直してほしいところなどいくつかあったんですが、津下オーナーに伝えると、すぐに対応してくださいました。

津下オーナー:でも、費⽤的に改善できないところもあって……。そういったところはエージェントさんが私の気持ちをくみ取ってくれて、うまく⼊居希望者さんへ伝えてくれました。

エージェント:絶対直せないところや変えられないことは、許容できるかどうかだと思うんです。内⾒に来ている時点で、物件は気に⼊ってくださっているので、あとは事実を伝えながら、許容範囲を探りますね。この物件は「⾍が出る」ことは絶対だったので(笑)、⼊居者さんが「そりゃそうですよね」って笑ってくれたときはホッとしました。

津下オーナー:実は⼊居後、⼊居者さんから「ネズミが出る」って連絡があったんです(笑)。「えー!」ってびっくりしたんですが、いつもお願いしている⼤⼯さんがすぐに⾏ってくれて対処してくれました。エージェントさんにしても⼤⼯さんにしても、私が信頼できるかどうかが重要です。信頼できないと、⼤切な⼊居者さんも物件も任せられません。そんな⼈たちが周りにいることに感謝しています。

エージェント:今回のような築古で難しい物件を買われて、リフォームをして⼊居付けをするとなると、やはりどこかしらに⼯夫が必要だと思います。それなりに費⽤もかかっていると思います。津下オーナーは、⼯夫はもちろんセンスもあって、それが⼊居者さんにとって有益なものになっている。そこは物件を⾒たときに感じました。

津下オーナー:⾃分が住んだらという⽬線を意識して、ひらめきや遊び⼼も⼊れつつリフォームしているのですが、今回の⽯張りの浴室は思った以上に費⽤がかかってしまいました(笑)。

エージェント:津下オーナーは、内⾒前にキーボックスの番号も教えてくれていたので、事前に物件へ⾏って案内のイメージをすることができました。そういったちょっとした気遣いも嬉しかったですね。あとは、ウチコミ!の集客⼒もすごいなと感じました。物件情報の⾒せ⽅や、写真の枚数、津下オーナーの⾔葉で書いたPRコメントなどもあると思うんですが、今回こんなに築年数が古いのに、これだけ問い合わせがくるって正直驚きました。もちろん津下オーナーのリフォームセンスもあると思いますが、それらがうまく相乗効果となっていたと思います。ウチコミ!を利⽤しているオーナーさんは、⾃主管理の⽅はもちろん、管理会社に依頼している方も、⼊居希望者さんから問い合わせが直接くること、普通であれば管理会社や仲介会社にいくものが⾃分にくるという“責任”を理解していて、エージェントに対しても協⼒してくれる⽅が多いです。エージェントとしてもそういったオーナーさんであれば、⼀緒に責任を担って、1⽇でも早く⼊居付けをしたいと思いますね。

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この記事を書いた人

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