BOOK Review――この1冊 最新版『まずはアパート一棟、買いなさい!』資金300万円から家賃年収1000万円を生み出す極意
BOOK Review 担当編集
2021/10/26
『まずはアパート一棟、買いなさい!』 石原 博光 著/SB Creative 刊/本体1760円(税込)
時代とともにバージョンアップした不動産投資の手引き書
『まずはアパート一棟、買いなさい!』の初版は、2010年。刊行当時、不動産投資の書籍には珍しく“一棟アパート”に特化した内容であった。しかし、不動産をとりまく環境もさまざまな変化があり、時代の流れに沿うように、16年には内容をアップデートした「新版」を刊行。なんと新旧合わせて27刷、累計9万部という不動産投資関連の本としては異例のロングセラーとなる。そして、この21年9月に「最新版」という運びになった。
著者の石原博光氏は、14年に家族とともに渡米し、現在も生活の拠点はカリフォルニア州。アメリカに6棟所有し、さらに日本にも所有物件があるという。日本で賃貸経営を行うことに不便はないのだろうか——。「仕組みさえ作ってしまえば手がかからない」と著者は言う。海外不動産投資に興味がある人は、“遠隔操作のコツ”も本書で学ぶことができるだろう。
序章を含め全8章のボリュームだが、章ごとに、時代に沿ったネタを盛り込み、分かりやすい。
そのなかでも、第3章「資産性が低くても、銀行から融資を引く秘訣」を少しご紹介したい。融資については、時代により状況の変化が激しい。著者も、初版のときは「状況は厳しい」といい、新版になると「不動産投資に追い風」、今回は再び「厳しい」という状況だと言っている。しかし、今と初版のときの「厳しい」にも違いがあるという。初版の頃は、融資が出にくい物件は価格がどんどん下がり、結果的に高利回石原 博光りの物件がゴロゴロあったというが、今は融資が出にくくても、物件価格は下がらない。さらに、銀行からの融資は厳しいがノンバンクは元気だという。そんな状況のなか、不動産投資で一番重要とも言われる“融資”をどうやって乗り越えていくのか。各金融機関の特徴や、借りやすい金融機関(銀行ごとに詳しく解説)、融資を引くテクニックなど、分かりやすいシミュレーションも公開している。
また、著者の不動産投資において特筆すべきは、そのニッチ戦略にある。
利回りの低い安全な物件ではなく、利回りの高い地方の物件を狙っていく。自らを「持たざる者」とし、「お金持ち」に勝つために、どのように工夫すれば、利回りの高い物件であってもリスクを回避しながら収益をアップさせることができるか——。そのノウハウを惜しみなく披露している点も、本書が初版から地道に売れ続けている理由であろう。
ほかの章でも、賃貸住宅オーナーであれば、学びたいであろう「購入すべき物件」についてや、「いい管理会社の選び方」、「リフォーム業者選び」、そして「満室経営を生む極意」など、初心者から現役のオーナーまで、学べることが多い1冊だ。
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日時:2021年11月7日(日)10時~12時(受付 9時50分~)開催
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ウチコミ!タイムズ「BOOK Review――この1冊」担当編集
ウチコミ!タイムズ 編集部員が「これは!」という本をピックアップ。住まいや不動産に関する本はもちろんのこと、話題の書籍やマニアックなものまで、あらゆるジャンルの本を紹介していきます。今日も、そして明日も、きっといい本に出合えますように。