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事故物件だけではない、賃貸経営で起こりうる「事故」――もしも入居者が逮捕されたら(1/3ページ)

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文/朝倉継道 イメージ/©︎jedimaster・123RF

入居者の逮捕……賃貸住宅オーナーが、まれに経験する事故、あるいは事件。また、経験していなかったとしても、これから先にわたって、その可能性を排除することはできない。

「えっ、ウチの入居者さんが逮捕!?」となったときのために、オーナーが普段から心構えとしておくべき大事な原則とは何か。

逮捕=有罪ではない

推定無罪の原則、それは「何人(なんびと)も有罪判決が確定するまでは、無罪と推定(仮定)される。犯罪者として取り扱われない」といった近代法上の重要な考え方だ。

入居者が逮捕された事実のみをもって、一方的に「契約は解除だ」というわけにはいかない。これは、オーナーがまず押さえておかなければならない基本原則である。

逮捕も有罪も必ずしも「信頼関係の破壊」ではない

もうひとつの大原則は「信頼関係破壊の法理」。オーナーが入居者の意志に反して賃貸借契約を解除するには、「主に賃貸借契約における債務の履行にかかわって、互いの信頼関係が、客観的にも壊れてしまっている」ことが条件となる。契約解除=家を失うこととなる入居者を保護するための日本社会における基本的な考え方だ。

よって、逮捕されただけでまだ有罪が確定しない間はもちろんのこと、たとえ確定しても、その内容によっては信頼関係の破壊を問えない可能性がある。

たとえば、入居者が脱税し、逮捕され、裁判で罪が確定した場合や、交通事故を起こし、自動車過失運転致死傷罪が成立した場合などは、おおむねこれに当たるとみてよい。

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