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空室期間短縮への近道! 暮らしをイメージさせる「ホームステージング」(1/5ページ)

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現在では、大手不動産会社や不動産仲介会社でも取り入れられている「ホームステージング」。賃貸業界においては、入居者にその部屋で暮らすイメージを湧かせ、入居者が長く住み続けたいと思えるようなしつらえをすることがホームステージングといえる。もちろん、空室期間を減らすことにもつながる。引っ越しの梱包や開梱、内覧のための片付けなど、住まいにかかわるさまざまな仕事を経験してきた日本ホームステージング協会の杉之原冨士子代表理事に、住まいや賃貸物件に対する考え方、初心者でもできるホームステージングについて聞く。(取材・文/財部寛子)

米とは違う日本独自のホームステージング

──ホームステージングという言葉は日本ではまだあまりなじみがありません。アメリカでは歴史が長いそうですね。

アメリカでは中古住宅の売買が日本よりも盛んです。中古住宅に素敵なライフスタイルをイメージさせられる家具や小物を入れることによって、より高い価格でより早く売却する。つまり、売買促進のための手法といえます。しかし、日本とアメリカでは住宅や生活の環境は異なります。アメリカで行われているホームステージングをそのまま日本に取り入れても浸透しないでしょう。そのため、私たちは日本版のホームステージングを広めていきたいと考えています。

──日本版のホームステージングとは。

日本では住まいにまつわる問題をたくさん抱えています。たとえば、居住スペースが狭い、高齢化、ゴミ屋敷など、社会的な問題も絡みあっています。そこで、アメリカのように中古住宅を販売するために部屋をきれいにしつらえるだけではなく、片付けや掃除、モノの廃棄・保管、遺品整理、インテリアといった、不動産や住まいにかかわるあらゆる問題を体系的に捉えていく。これが日本版ホームステージングになります。

──とても幅広く、さまざまな業界と関係してきそうですね。

不動産仲介業はもちろん、賃貸業、リフォーム業、ハウスクリーニング業、運送業などさまざまな業界でホームステージングを取り入れることができます。そのため、「ホームステージング」と一言で言っても、それぞれの業界で捉え方は異なってくると思います。しかし、いずれの業界においてもホームステージングを取り入れることで収益アップにもつながります。

杉之原 冨士子(すぎのはら ふじこ)/一般社団法人 日本ホームステージング協会 代表理事。1957年茨城県出身。東京家政大学卒業。専業主婦を経て39歳で運送会社に就職し、荷物の梱包や開梱、収納などのスキルを身に付ける。2011年に独立し、ホームステージングに関するサービスを提供。2013年、一般社団法人 日本ホームステージング協会を立ち上げ。主な著書に『いつ死んでも後悔しないお片づけ』(PHP研究所刊)、『片づけなきゃ親の家 片づけたい自分の家』(講談社刊)がある。PHOTO/©︎Photo Current 66 吉田 達史

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この記事を書いた人

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