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建物のエントランスを街猫のトイレにさせないために 「餌をやらなければ猫はいなくなる」はウソ(3/3ページ)

山本 葉子山本 葉子

2020/04/04

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猫被害を防ぐ手だては次のようになります。
・植栽がきちんと地面を覆うように管理すること(水やりや植物の補充)
・乾いた土が溜まっている場所が無いように注意すること(ドライエリアがある場合は特に)
・上記のような適切な管理がされているか、他にも問題点は無いかなどの定期的な検証

(猫の入り込むスペースをなくすことがポイント)

このようにマンションエントランスを綺麗に美しく保つのは、「ごく普通の正しい管理+猫に関する多少の知識」があれば、対応はできます。
正しい管理は管理会社さんにお願いすることになりますが、猫に対する対応はは、保護団体や地域のボランティアさんとお話しいただくのがいいと思います。交渉次第にはなりますが、地域猫のボランティアさんに植栽の管理(と餌やりトイレ清掃の管理)をアルバイトとして頼むことも一考に値するのではと思います。

「餌をやらなければ猫はいなくなる」という話がよく出ますが、実際にはこの方法は機能しません。それは「猫にご飯をあげる人はいなくならない」からです。
人は弱いものを助けたいという根本的な欲求があって、善悪とか動物愛護精神とかいう前に、子どものようなものには手を差し伸べてしまうのです。
過剰繁殖に繋がらないように不妊去勢手術を早めに行って、ゆるゆると数を減らしていくのが今時の猫との付き合い方なのです。

排除するよりもずっと建設的な方法、綺麗な管理状態を保って、地域の環境保全(猫の糞尿問題解決)に寄与する物件運用を行っていきましょう。わんにゃん110番など、私ども東京キャットガーディアンが運営している無料ホットラインでも、ご相談をお受けしています。

文/山本葉子(NPO法人東京キャットガーディアン代表)

 

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この記事を書いた人

NPO法人東京キャットガーディアン 代表

東京都生まれ。2008年猫カフェスペースを設けた開放型シェルター(保護猫カフェ)を立ち上げ、2019年末までに7000頭以上の猫を里親に譲渡。住民が猫の預かりボランティアをする「猫付きマンション」「猫付きシェアハウス」を考案。「足りないのは愛情ではなくシステム」をモットーに保護猫活動を行っている。

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