東京のマンション一棟売りをしたい場合
ウチコミ!タイムズ編集部
2016/05/16
サブリースは一大市場
前回は大阪の一棟売りを取り巻く状況をお伝えしました。商人の街・大阪らしく、工夫を凝らした商法が印象的だったのではないでしょうか。こうなると、日本最大の不動産市場である東京ではどうなのかも知りたいところです。今回は、東京における一棟売りの状況をご紹介します。
東京の一棟売り物件の相場を見てみると、やはり億単位の物件が目に付きます。中には数十億単位のものも! もちろん小規模なものであれば、1億円の枠内に収まる物件もあります。
東京の物件の場合、人口は日本で最も多く、少子化が進んでいるとはいえ毎年多くの人々が流入してくるのですから、立地さえ良ければかなりの入居率が期待できます。ある程度古い物件でも、建物を大幅にリフォームしたり、デザインを再考することで人気を取り戻せる場合があり、中には築40年以上であっても高い入居率を誇る物件があるようです。
不動産会社の中には、サブリース物件を獲得することでビジネスモデルを確立したサブリース専門会社もあります。首都圏はもちろん、大阪にも数多く存在しており、それだけ大きな市場を形成していると見ることができるでしょう。
サブリース会社の中には一棟サブリースを請け負う会社があります。建物のオーナーから賃貸物件を一棟丸ごと借り上げ、入居募集から建物管理、家賃集金まで一括で代行するのです。オーナーは煩雑な管理業務や空室の不安などから解放されます。もちろん一般の不動産会社でも一棟サブリースを行っているところはありますが、得意ジャンルがワンルームなのか一棟マンションなのか、新築なのか中古なのか、それぞれに特長が異なります。一棟サブリースを得意とする会社はそのジャンルで信用を落とすことは許されませんので、当然それなりのノウハウを持っていると期待して良いでしょう。
サブリース会社によっては、リフォーム工事を条件に借り上げることもあります。一棟物件を借り上げるに当たっては、会社側で事前に調査を行います。その場合に物件の状態が悪い、あるいはデザイン等に問題があれば、納得できるレベルまでリフォームをするということです。厳しいようですが、逆に言えばリフォームまでして借り上げる方法を考えてくれるということでもあります(もちろん、借り上げ不可の場合もあります)。
地方のサブリースでは、不動産会社が「家賃を保証しますから大丈夫です」というので一棟マンションに投資したら、周囲に学校も工場もなくて入居者が全然集まらなかった、という話も聞きます。東京と言えば都会のイメージですが、東京も広いので油断はできません。成績の悪いマンションは、契約更新時に家賃が下がってしまう。契約を更新しなければ、空室だらけの老朽化したマンションだけが残る。ハウスメーカーも建築戸数を増やすためにサブリースを勧めてくることがありますが、甘い言葉に乗せられるのではなく、現実的な計算を積み重ねて投資をしたいものです。
この記事を書いた人
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