アパート経営の失敗
ウチコミ!タイムズ編集部
2016/11/06
■絶対にはまりたくない失敗の事例
「アパート経営は必ず失敗する!」「アパート経営はやめておけ」といったような、ショッキングなタイトルのブログや書籍が存在します。実際には“必ず”失敗するわけでも、“必ず”成功するわけでもありません。しかし、こういった文章は、アパート経営の負の部分を理解するうえで非常に役に立ちます。今回は失敗する事例について集めてみました。
まず、なるほどと思ったのが、「借金を資産と間違えるな」という指摘。「サラリーマンでも3億円作った!」といったキャッチコピーが不動産本にはよく載っていますが、3億円をキャッシュで持っているわけではなく、そのほとんどは資産だったりします。資産とはすなわち財産のことですが、資産には所有しているアパートも含まれます。
バランスシート上はそれで問題ないのです。しかし、そのアパートは、ローンを組んで購入したものではないでしょうか。つまり、分類上は「資産」でも、実態は「借金」だということです。簡単な例えを挙げると、クレジットカードの支払いをチャージと言いますが、あれだって借金ですよね。このことを肝に銘じておかないと正しい現状認識ができず、いざという時に対応が後手に回ってしまいます。
広告や資料では大変魅力的だったのに、いざ購入してみたら入居者が集まらない場合があります。これは、現状分析はしたけれど、未来予測が足りなかった場合にありがちな失敗です。例え現状は良くても、人口が減少し始めている郊外や地方の物件であればジリ貧になるのは当然。つまり、立地選びで失敗していたのです。
資金に余裕がない状態でアパート経営に踏み切るのも失敗の元です。空室率や金利にばかり気を取られていると、時間が経って家賃設定を下げなければならなくなった時にダメージが大きくなります。資金に余裕がないのであればアパート経営に手を出すべきではありません。
郊外や地方にアパートを持とうと思ったら、地主や農家と競争しなければならないと思っておかなければなりません。その場合、向こうは余った土地を転用しようとしているが、こちらは借り入れをしてアパートを手に入れなければならないことの不利をよく承知しておく必要があります。
木造アパートに付き物なのが、耐震性と騒音の問題です。どちらも鉄筋コンクリート造りのマンションには大きく劣ります。騒音問題をうまく処理できないと、入居者が逃げてしまいます。火災の場合も、マンションなら一室のみの火事で済むのに、木造アパートでは1棟すべてが全焼することがあり得ます。万が一を考えるとアパートは相応しい住まいとは言えない、という意見もあります。
建て替えや売却リスクの問題もあります。入居者全員が立ち退きに同意してくれるとは限りませんし、土地に利用価値がなければ“さらし物件”として残ることになります。
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この記事を書いた人
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