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賃貸アパート経営・賃貸マンション経営のトラブル事例を総まとめ

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ここまで、9回に渡り賃貸アパート経営・賃貸マンション経営のトラブルの事例と解説をお送りしてきました。今回は今までのトラブルなどの「民法・借地借家法」の大切な部分を纏め、わかり易く解説します。今後の賃貸アパート経営・賃貸マンション経営の参考にしてください。

 

尚、今回説明する内容で「民法・借地借家法」の全てではありません。賃貸借契約に深くかかわる、重要な基本項目と捉えて頂ければと、思います。

 

【民法の規定から】

 

≪善管注意義務≫

これは、法律用語です。「善良な管理者による注意義務」と言う意味で「その立場に置かれた人が、通常で考えれば、当然行わなければいけないだろうと思われる注意」の事を言っています。

 

例えば〜〜

  • 台風が来ているのに、窓も締めずに部屋を水浸しにしてしまった。
  • 表通りから良く見えるような玄関脇に、いつも雑誌などを乱雑に積みっぱなしにして火災になった。
  • エアコンから水が漏っているのに、放置して被害を拡大させた。

以上の様な事です。

 

いわゆる、普通ならちゃんとしているのに「ついうっかり」とか「全く注意力を払っていない状態」がまずい事になったりします。 その時の結果が悪いとこうなります。

 

≪借主による原状回復≫

民法で定められている内容です。

 

「借主は付属させた物を収去しなければならない」
どういう事かと言いますと、賃貸住宅に借主が取り付けたり追加したりした物は、借主の責任で取り外すなりをして「基に戻す」必要がある。という事です。

例えば〜〜

  • エアコンが1台しかないので、もう1台自費で設置した。
  • 部屋に家具や棚などを設置した。

もちろん、大家さんに無許可で設置はNGです。

 

民法で決められているのは、原則です。これが決まっていないと、そもそもの基準がない事になり、それだけで「トラブルの元」になってしまいます。借主さんが取り付けたものは、退去時に自己責任で取り外すのが決まりです。あとは、大家さんが許可してくれれば「そのまま残していく」というのも「アリ」と言う事なんです。

 

≪貸主の修繕義務≫

「貸主は賃貸物の使用・収益に必要な修繕義務を負う」

 

これは、大家さんが貸す賃貸物件は、大家さんが修繕などをして良好な状態にしなければいけないと言っています。 但し、借主さんが借りた時以上の改修を求める事は出来ません。貸した時に付いていた設備が壊れたのに、修繕をしない事を戒めています。もちろん、雨漏りやドアが閉まらない・鍵が掛らないなどの住宅そのものが故障しているのも対象です。

 

例えば〜〜

  • 入居時から設置されていた「エアコン・給湯ボイラー」などの故障。
  • 屋根や窓等からの雨漏り。
  • 災害などによる被害。

と言うように、普通に使う上で支障が出るもの全てと言ってもいいでしょう。

 

もちろん、借主さんが壊したもの等は、この範疇ではありませんが。大家さんの責任は大変です。

 

≪賃借物一部滅失による賃料減額請求≫

 

これは何かと言いますと、賃貸物件が壊れたりしているのに、大家さんが借主さんの修理の要求にこたえずそのまま放置している場合、その壊れて使い物にならない部分の割合に応じて賃料の減額を請求できる。という事です。

 

先ほど説明しました「貸主の修繕義務」を果たさないと、こんな感じで賃料の減額を請求できるわけです。ただ「壊れている=賃料減額」とはなりませんので、注意してください。借主さんは、減額の請求が出来るのです。この請求についても、手続きや遣り方があります。

 

ここで説明するのは話がそれてしまいますので、また別の機会に詳しくお話しします。ただ、減額請求をしても大家さんが応じない場合の手続きもありますし、訴訟だけでは無い方法もあります。賃料を支払って住宅を貸す場合、大家さんにも住宅を維持する責任があり、その責任を果たさない場合には「賃料の減額請求」が出来たりもするわけです。

 

≪借主の通知義務≫

 

借主さんが借りている住宅に、修繕などが必要となった場合、借主さんは時期を外さずに貸主さんに知らせなければいけないという事です。賃貸契約を結んで借主さんに貸している住宅は、大家さんと言えども「勝手に見に行くわけにはいきません」。「不法侵入」になってしまいます。

 

しかし、大家さんには「建物の修繕義務」が課されています。部屋の中は、借主さんにしかわかりませんから、法律で「借主さんにも義務」が課されています。それが、この通知義務です。

 

法律で課されているものですから、借主さんも簡単に考えてはいけません。賃貸住宅で建物や設備が「壊れていたり、故障したり」していた場合、スグに大家さんに知らせて下さい。知らないものは仕方がありませんが、知っていた場合、借主さんの為にもです。

 

民法、普段あまり気にしたり触れたりしないものでしょうが、意外と良く出来ている物です。賃貸アパート経営・賃貸マンション経営について今後も、少しずつ、紹介して行きます。

 

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