物件を賃貸して損害保険(賠償責任保険等)への加入義務を怠った場合
2014/10/25

【損害保険(賠償責任保険等)への加入義務】
≪借主さんからの質問≫
賃貸契約書に、入居者は「賃貸契約期間中」損害保険(火災保険、借家人賠償保険等)の保険に加入しなければいけない条項がありますが、保険に加入する必要があるのでしょうか?
また、不動産業者や管理会社の指定する保険に加入しなければいけないのでしょうか?
≪法的にはどうなのか?≫
火災保険(借家人賠償保険)は、契約期間中の借主さんの責任で発生した、火災や漏水事故などで起きる「損害賠償」に対応しています。 現在、賃貸契約のほとんどで「火災保険・借家人賠償責任保険」の加入を義務としています。
このように、賃貸契約書で保険の加入が義務とされていた場合、借主さんは保険に加入する義務があります。義務がある上で、その加入をせずに「火災や漏水」が起きた時、賠償責任が借主さんにかかる恐れがあります。
ただ、賃貸契約に保険加入の特約があったとしても、保険会社を選択する自由を制限するのは、話が違ってきます。「抱合せ販売」のような格好になり、独占禁止法に抵触する可能性があります。この点については、保険加入を勧誘する大家さん側が注意をしてください。
≪問題点と考察≫
ここまでに説明した通りです。ただ、現実問題として、最初の契約時に「保険会社」を選ぶのは難しい側面がありますね。賃貸契約を仲介する不動産業者や管理会社に「指定の保険会社」と言われてしまうと・・・。
最近では、保険会社を特定しない場合もありますので、借主さんは希望があれば、聞いて交渉などしてください。最近、顕著になっている「借家人賠償責任保険」について少し触れておきます。
民法の規定では「賃貸住宅の入居者による失火責任について、重大な過失がある時のみ賠償責任がある」と謳われていますので、近隣住民や同じアパートの住人の損害に対しては、その責任が免除されています。
そうしますと、反対から見て「自分が被害者になった場合」も「自分の為の保険が必要」という側面があります。その上、先ほどの民法の規定で「近隣住民などの責任」は免除されていても、アパートの所有者(大家さん)に対しての責任は「重大な過失が無い場合でも、損害賠償を負う」となっています。
つまりは、大家さんに対する賠償はもとより、自分の為にも「損害保険」の加入は必要だと言う事になります。そして「借家人賠償責任保険」という保険でないと、自分の財産では無いアパート(大家さんの資産)に対する賠償金を支払ってくれる保険はありません。
通常の火災保険では、他人の持ち物(建物)の保証は、対象外です。こういった状況から考えると「借家人賠償責任保険の付いた損害保険」は、現在では必須となって来そうです。保険の加入義務が無い場合でも、良く考える必要があります。
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この記事を書いた人
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