「良い不動産業者」を見つける為に その2
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/01/24
次に知っていただきたいのが、不動産業界の実情です。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」です。
まずは、不動産業者の査定とは~
現在の不動産業者が、売却依頼等の際に販売価格などを決める為に行っている査定とは直近の販売実績、販売事例、付近の土地・建物の相場や市場の動向などがメインの情報になります。日本の不動産では、現在 建物に関する評価方法は確立されておらず、新築後12~13年程で価値がほぼ0円になってしまいます。(要するに、減価償却の計算方法です)
尚、マンションなどの鉄筋コンクリート造の建物は若干評価が違います。大手の不動産業者などは、市況のグラフや取引事例なども沢山盛り込んだ 「査定書」 を作成しお客様に提出されています。が、気を付けていただきたいのは、査定=売れる金額ではない事です。
不動産業者としては、売れそうな金額で依頼が受けられれば一番いいのですが、売れそうもない金額でも引き受けてくれます。簡単に言えば、適正価格で引き受けた物件は「本命」高値で引き受けた物件は「廻し」と呼ばれます。
以下に用語を説明します。
■「本命」とは…購入希望のお客様に進めていく一番の物件
■「廻し」とは…購入希望のお客様に、「本命」と比較対象させて「本命」を購入させる為の当て馬的な物件
更に言えば、不動産業者は預かった物件が売れなくとも、一向に困りません。対して、売主さんは 「売りたくて売却をお願い」 しているわけですから、売れなければ値段を落としていく以外に手がありませんし、不動産業者に誘導されて行きます。
更に、売主さんとして不動産業者にかかわっているなら良いですが、買主としてかかわる場合、更に注意が必要です。 何かと言いますと、現在の不動産に建物の評価システムなどがない事は先ほどお話ししましたが、不動産業者の営業マンも、一部の経験豊富な方(ハウスメーカーや建築業界などで仕事をした経験を持つ方)以外、建物の事を全く分からないで営業している方が沢山いる事です。
築10年の木造の建物は、床下がどうなっているか、屋根はどうなのか、外壁はどうなっているか、給湯器は?設備は?.....。残念ながら、無いと言って間違いありません。新築戸建や新築マンションは、基本的に売主業者まかせです。もっとも、新築の場合は「売主業者の保証など」が付いていますから、お客さんもそちらに話すでしょう。
中古住宅の場合はどうかと言いますと、驚かないでください。木造住宅で築20年前後の建物になりますと、いわゆる「瑕疵担保責任免責」という伝家の宝刀を使います。(詳しくは、過去のブログ記事を参照ください)簡単に言いますと、建物のどういった欠陥も責任を負いません。という意味です。
また、比較的築年数の新しい築10年前後の建物についても「瑕疵担保責任」の範ちゅうに留め、ほぼ買主さん側の負担という形で取引を進めます。
結局は、「お客様のわからない」を最大限に利用して、法律や不動産業の慣習をもっともらしく見せ、不動産業者側の利益と便宜を最大限に守っているだけです。一部、担当者レベルでは、親切丁寧で誠実な方もいますが不動産業者自体がそれを当たり前と遂行していますから結局は、一個人のお客さんでは対抗しきれません。これは、大手不動産会社ほど忠実に、システマティックにやっています。と言う事は、相談している相手が 「けっしてあなたの見方ではない」 という事実です。
ここまでの内容からもお分かり頂けると思います。長くなってきましたので、続きは次回にします。
【「良い不動産業者」を見つける為にまとめリンク】
「良い不動産業者」を見つける為に その1
「良い不動産業者」を見つける為に その2
「良い不動産業者」を見つける為に その3
「良い不動産業者」を見つける為に まとめ
「良い不動産業者」を見つける為に 延長戦
不動産会社さんを通さないで物件を探すことができるようになってきました。
直接大家さんに問合せをすることが出来たり「こんな部屋ないですか?」とリクエストをすることも可能です。
ウチコミ!というサイトになります。
いい大家さんとの出会い、いい入居希望者との出会いをお手伝いしています。
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。