「過去の事件簿」 その1
ウチコミ!タイムズ編集部
2012/08/31
過去に見聞きした 「不動産取引上の事件」 などのお話しを、今日からシリーズ化していきたいと思います。これは、10年程昔のお話で、当時私の勤務していた会社で起こった事件でした。担当した営業は、私の良く知っていた営業さんでした。
その不動産の取引自体は、特に問題もなくそのお客様は中古の一戸建てを購入しました。中古の一戸建ては、築年数が20年程の建物でした。建物は若干古めでしたが、建物自体に特に問題もなくお客様もとても気に入って、銀行の住宅ローンの手続きなども順調に進み、無事に物件の引き渡しまで終了しました。
ここまでは、本当に問題らしい事もありませんでした。ところが、引き渡しから一か月も経たないうちに「カンカンに怒ったお客様」 から会社に電話が入りました。それは凄い剣幕で怒られて、何が何だか担当の営業さんもさっぱり内容がわからないままとにかく、お客様の家に向かいました。
現地に到着して、お客様の家の玄関に入った途端「物凄い悪臭」が漂っていました。その悪臭は、下水道のような匂いだったそうです。
なにが、原因かといいますと...その住宅の床下には、前の所有者も知らない昔の「溜便槽」 があったそうです。その「溜便槽」 は、溜まっていた汚物がのこったままコンクリートで蓋がされ、放置されていたそうです。ところが、今回のお客様が「この不動産を購入」した以前から、コンクリートの蓋が割れていて、お客様が引っ越しをされた後に、大雨が降りました。その雨が、建物の基礎部分の割れ目から大量に流れ込み、例の溜便槽に流れ込んで、床下一面に広がっていました...。
それは、凄いはなしです。結局、お客様の怒りは解けず、お客様が訴訟を起こされたそうです。その会社も、訴訟に応じて「損害賠償」をしました。ちょっと恐ろしい話ですよね。こんな事が、頻繁に起こっているわけではありませんが、制度的な不備を、実感してしまう事例です。
現在の不動産の特に、中古物件の取引の場合、保障までいかないまでも、建物の性能・機能などに対する説明書?もしくは評価書?のような物がない事自体の問題としか思えません。まして、不動産業の営業マンは建物のプロではありません。
もちろん、一番の被害者は そのお客さん である事は、言うまでもありません。誰が考えても、売却する 中古の不動産 には「評価書」なりの物が、絶対必要でしょう。みなさんは、どう思いますでしょうか。
今は物件を売主が直接公開できるウチコミ!売買REVOというサイトというものもあります。
売主と直接コミュニケーション取れるので気になることは事前に確認して購入すれば安心です。
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この記事を書いた人
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