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災害に対しては…

一戸建てよりも、マンションよりも「賃貸」が最強?(3/3ページ)

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ホリエモンさんの場合、昨年(2018年)までの発言によれば、家を持たないだけでなく、賃貸住宅も飛び越えて、いまはホテルや友人宅を移動して歩く生活をされているそうです。


情報通信技術が発達し、人々の働き方が変化していくにつれ、土地と場所に縛られる持ち家暮らしを便利とは思えない人が、これからはさらに増えてくると思われます。すると彼らは、賃貸住宅市場にとっては明らかに新たなターゲットです。さまざまな工夫を凝らしながら、しっかりとこれを捉えていくべきでしょう。


一方、災害と賃貸住宅といえば、われわれはきわめて重要な問題をひとつかかえています。それは、地震の揺れに対して脆弱な古い建物が、いまだかなりの数で市場に残っているということです。


具体的には「旧耐震」を指します。


地震に対する危険性が明確に指摘されている、1981年5月以前の基準によって建てられたアパートやマンションが、大勢の入居者を呑み込んだまま、いまもあちらこちらに建っています。


これらに住んでいる人の場合、災害による資産へのダメージは想定されなくとも、生命の危険にはつねに晒されています。そのうえで、彼らは家賃も払わされているわけです。これはそもそもありうる話でしょうか?

世界のトップをいく先進国における住宅環境として見たときにどうか?と、いうレベルでの問いかけです。たとえば今日、明日にでも、東京などを大きな地震が襲い、そうした物件の多くが倒壊し、入居者さんを圧死させたとします。あるいは、火災も発生し、倒れたアパートの中に閉じ込められた入居者さんが焼け死んだとします。


同様のことは、阪神・淡路大震災でも、熊本地震でも起きていますが、旧耐震基準が遠い過去の基準となるにつれ、それによって建てられた建物を放っておいたオーナーさんの責任は、今後ますます重くなるはずです。


よしんば、裁判沙汰にはならなかったとして、入居者さんを死なせたオーナーさんの後悔たるやいかばかりでしょうか。


旧耐震基準が文字どおり「旧」になってから、あと2年で40年となります。賃貸住宅業界が、現在世の中に与えている最大のリスクの排除・一掃について、われわれにはいよいよリミットが迫っている、と考えなければなりません。


(文/朝倉継道 参照元/株式会社リクルート住まいカンパニープレスリリース 画像/123RF)

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