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東京都心への人口集中が加速!

仲介スタッフが漏らした郊外オーナーさんへのヒントとは

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イメージ/123RF

「首都圏7月のマンション賃料が過去最高」そんなテロップが、この8月(2019)、経済ニュース番組の画面などに踊ったのをご記憶の皆さんも多いと思います。

これは、不動産の評価やデータ提供サービスを行っている株式会社東京カンテイが発表したものです。月例のレポートの中に示されている数字です。なお、ここでいうマンションとは分譲マンションのことです。なおかつ、専有面積30㎡未満の住戸は対象から除かれています。

すなわち、集計対象は、

・分譲後に賃貸へ回った
・いわゆるファミリータイプの物件

です。その賃料が、同社がこの調査を始めて以来過去最高を更新したということで、今回は比較的大きなニュースとなりました。

数字を牽引したのはやはり東京です。とりわけ23区です。東京23区の2019年7月における上記平均賃料は、1㎡あたり3,679円となっています。この数字は前年同月比で5.7%のプラスとなる数字です。

ちなみに、6年前の2013年のデータを見ると、3,000~3,100円くらいの間をグラフの折れ線が動いています。それ以降いまに至るまで、数字はほぼ右肩上がりです。

つまりこの間、東京23区内におけるファミリー向け分譲マンションの平均家賃は、ざっと1.2倍近くにまで上がっていることになるわけです。

そのため、立地などの条件がよい場合は、経年劣化もなんのその、入居者さんが入れ替わるたびに家賃が上昇、そのたび礼金もいただけているといったケースもあるはずです。まさに「不動産は立地」ですね。

さて、こうした東京都心へのいわゆる一極集中ですが、それを如実に示すデータが、今年の1月に国から公表されています。

「住民基本台帳人口移動報告 平成30年(2018年)結果」です。総務省統計局による資料です。

これによれば、人口が転入超過となっているのは、都道府県別では、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、愛知県、大阪府、滋賀県、福岡県の1都1府6県に過ぎません。

その中で、東京都の数字はダントツでトップの79,844人となっています。2位の埼玉県の24,652人を大きく引き離しています。

なおかつ、東京都特別区部、すなわち23区においては、転入超過数は60,909人にものぼっています。

また、さらに注目すべきは年齢区分別の数字です。15~64歳のいわゆる生産年齢人口にかぎっては、23区の転入超過数は75,975人となっています。学生世代および働く世代が、次々と東京を目指しているわけです。(他の年代の転出数と相殺されて上記6万~の数字となるわけです)

こうした動きを見ると、なるほど東京都心へ、都心へと近づくほどに、住宅ニーズはどんどん増え、冒頭にふれたとおりのデータ(23区内分譲マンション家賃の上昇)も生まれるということがよく理解できるというわけです。

さて、そこで、賃貸オーナーさんにひとつヒントを差し上げましょう。


・東京都心のターミナル駅から郊外へ伸びる沿線に物件を持ち
・自主管理をされている

主に、そんなオーナーさんへのアドバイスです。

結論を先に言いましょう。

・ご自身の物件の所在する駅よりも
・さらに都心に近い、賑やかな駅前にある仲介会社へ
・物件PRのターゲットを積極的に広げて下さい

ある仲介会社のスタッフさんからお聞きしたお話です。東京都心の某ビッグターミナルから電車で約20分の、私鉄沿線の駅前に店舗をかまえる会社です。

「最近、仲介のチャンスをよく他社に取られてしまう」と、いうのです

ちなみに他社とは、同じ駅前に店をもつ直接のライバル会社ではないとのこと。さらに都心側の別の駅前にある会社です。

そうした店舗のスタッフが、何駅をも隔てた郊外の駅まではるばる入居希望者を連れてきて、契約を決めてしまう。そんなケースが、近ごろは以前に増して目立っているというのです。


「その影響で、最近うちの周りの仲介屋さん減っているんです」

たしかに。見回すとそのとおりです。

「要は、問合せの段階から都心側の会社に客を吸い上げられてしまうんですね」

どういうことか。

スタッフさん曰く、最近は入居希望者の問合せまでもが、より東京都心に近い店へ、都心に近い店へと、流れがちだというのです。

「みんな、とにかくひと駅でも都心側に住みたいんです。その場合、より都心に近いお店の方が、より多く、よい物件を紹介してくれると彼らは考えるようです」

しかしながら、実際に問合せをし、窓口にも来てみると、

「やはり都心に近いほど家賃はグングン上がる」
「同じ程度の物件を求めるならば、都心を離れるほどコストはグッと下がる」

そんな現実を見る結果に。

そこで、ひと駅、またひと駅、と、検討対象を郊外へ広げていく過程で、上記のような遠征をともなっての内見・契約に至るケースが増えているのだということです。

そこで、スタッフさんさらに曰く、

「なので、郊外物件のオーナーさんがライバル物件を出し抜くチャンスはここにあります。オーナーさんもまた、問合せが集まる都心側の店へと、宣伝のアプローチを広げるのです」

つまり、ライバルよりも川上に立って、先に客を待つかたちです。

「流れ落ちてくる(?)お客さんをすかさずキャッチできるように、ご自身と物件をガッチリ仲介会社にアピールすることで、網を張ってください」

以上、ご参考までに。


(文/朝倉継道 画像/123RF)

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この記事を書いた人

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