不動産の契約書2|売買契約書
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/02/28
2 売買契約書 (ばいばいけいやくしょ)
前回ご説明しました 重要事項説明書 は、確かに 売買契約書 と重複する様な内容が沢山盛り込まれているのですが、目的自体が「買主さんを守る為の法律に基づいた書面」ですので、いわゆる契約書 ではありません。
当然、約束の内容を証する書面が今の時代なら必要になります。それが 売買契約書 になるわけです。
売買契約書 には、当然約束ごとの重要な部分(期日・金額・支払方法等)が掲載されていますが、とりわけ注意していただきたいのが 特約部分に記載された内容です。では 特約 に載せる内容とはどんなものなのか?
ここまでお話をしながら、こんな言い方も失礼かもしれませんが、特約の内容は物件ごとに状況が違いますので星の数ほど沢山のケースがでてきます。例えば、こんな感じで記載されています。
「本契約に於いて、買主は自己所有の不動産を売却中です。平成○○年○○月○○日までに売却不動産の契約が不成就となった場合、本契約は白紙解除するものと致します」
こんな文章が、特約欄に載ってきます。文章の意味は大丈夫でしょうか?
この文章をわかりやすく説明しますと、この契約の買主さんは、現在自分の持ち家を売りに出していて、持ち家の売却の売買契約までは、とりあえず出来ています。 しかし、万が一 この売却がだめになったら、今回の購入も取りやめにする。
そして、契約を取りやめた時に、手付金も返して下さい。こんな意味になります。
えっ!!そんな都合のいい話ってありなの?
殆どの方がそう思われるかもしれませんが、ありです。不動産業界では、これを 停止条件付きの契約 と言います。
要するに この方は、不動産の買い替えをしようとしている方なんです。基本的に、住宅を持っている方の殆どが 住宅ローン を組んでいます。
住宅ローン は原則一人一つしか組めません。万一組めたとしても、一人で二つの 住宅ローン を支払って行く事は無理でしょうし、自宅二つは要りませんよね。 その様な方の危険を排除する為の約束ごとです。
ただ、このケースの売主さんは ちょっとまいります。売却の契約はしてほっとしたもの 特約 に記載された期日までに、買主さんの売却がうまくいかないと、契約は解除になり 契約の時に預かった 手付金 も全額返さないといけない・・・・。
時間もそれなりに経過している・・・・・。こまっちゃいますよね。
あくまでも、一つの例ですから 毎回こうなるわけではないですし、停止条件付き契約 を否定しているわけでもないんです。
要するに、 特約 に書かれる事を当事者がキチンと理解できているか。そこが、一番の問題です。 上の 特約 の文章から何が有利で、何が不利で・・・・。 わかっていないと大変な問題になる時もありますから。
さらに、難しい文章が多いですから、なんとなく見過ごしてしまう事も多いですね。文章が難しくなるのは、何通りにも解釈されない様に、法律用語を多用するからなんですが。 一般の方々には敷居が高くなってしまいます。更に、契約にかかる時間も長いですから、無理もありません。
私からの アドバイス としては、売買契約書 の日時・金額・支払条件等の項目は、注意さえしていれば危険な事はありませんが、 特約 については一つ一つある程度の理解をして先に進める事。わからなければ、キチンと説明してもらう事。これを忘れないで下さい。
上の文章からわかる通り、結構深い意味がある物が出てきます。転ばぬ先の杖となれば幸いです。
今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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