賃貸契約更新が完了していないと法定更新になります
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/12/14
■更新料を分割支払いにする
「更新料」は借主さんにとって重いものです。通常の月は、家賃分だけの支払いでいいわけですが、更新の月だけ「家賃が2倍」になる訳ですから。現在も転居を考える方の大部分の人たちが「更新前に転居」したい・・・。という理由を掲げています。
この為一部の大家さんは、そこを見越して「更新料を無」という選択をしているケースが増えています。人気路線の駅に近い物件や、人気エリアの人気の物件では検討されていませんが、不利な条件を持っている物件や一旦空き住戸が出ると、埋まりにくい物件や地域で導入される向きがあります。
人気不人気や有利不利だけに影響される事ではありませんが、大家さん側としては「安定的に長期間」入居いただく事が賃貸経営を安定させるのは、言うまでもありません。「更新料」の度に退去者が出て苦労されている大家さんには、下記の方法は如何でしょうか?
※ 例えば・・・
1カ月の家賃=60,000円の場合「60,000÷24=2,500」
更新料を2年間で割ってみると2,500円です。
家賃を62,500円に値上げして「更新料0円」という考え方は如何でしょうか?
24回分割の考え方です。これなら入居者の負担も軽くなります。
なんでこんな話をしているかと言いますと「更新料が取れなくなるケースが増える!」事が考えられるからです。
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【更新料が取れなくなるケース】
これはどの賃貸住宅でも起きる可能性があります。根拠となるのは「借地借家法」にあります。この「借地借家法」という法律は、もちろん賃貸住宅に適用されます。どんな内容かと言いますと・・・
原則として「借主さん」の立場を守る法律です。
「貸主さん」からの強制的な退去・立ち退きを排除しています。
「貸主さん」からの契約更新をしない通知には「厳しい条件」が課されています。
どんな理由があったとしても「契約満了日」を過ぎて契約更新が完了していない時は「法定更新」になります。
以上の内容を「契約書で別の特約を結ぶ」などを行っても「強行規定」ですので、無効とされます。
「法定更新」とは・・・賃貸契約が期間満了時までに整わなかった場合、借主さんの立場を守るために「法律」で更新されたことを保証するもので、その場合は、家賃などの基本的な条件は以前と同じで「期間の定めの無い」契約が更新された事になります。
「強行規定」とは・・・今までお話しした「借地借家法」に従わない特約などを決めても、全て効力が無効とされる取決めです。決められた内容に逆らっても無意味という事です。
以上の内容が条文で決められています。
と言う事は・・・
「どんな理由があったとしても、契約終了日までに「更新の契約が完了」していないと「法定更新」になるという事です。つまり、法定更新が起きた瞬間に「更新」が終了した事になりますから、更新料の請求が出来なくなります。
その上「期間の定めの無い賃貸契約」になる事から、今後も更新が無い・・・「更新料」が発生しない、請求出来ない状況になってしまいます。
現在の借主さんが退去して、新しい借主さんと新たに賃貸契約を結ぶか、現在の借主さんと「合意更新」をしてもらうかしかありません。「合意更新」とは・・・更新の期日を過ぎていても、借主さんと貸主さんが合意(納得)して更新していれば、更新は成り立ちますが、借主さんがこの内容を知っていたら、難しいですね。もちろん、強制・強要は出来ません。
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例えば・・・
うっかり契約の期日を忘れていた・・・。
貸主・借主間で何らかの話し合い中に期日を過ぎてしまった。
貸主側からは通常どおりに、早めに「契約更新の書類等」を送っていたが、借主が送り忘れていた。
という様に理由の如何を問わないのです。契約更新の時に「家賃の値上げや、条件の変更」等で契約更新が難航していたり、元々「借主・貸主」の仲が悪かったり色んな原因が考えられますが、そんな事情も関係なくです。
特に最近では、インターネット上にも「更新料を払わない方法」という記事も見かけます。全てがそのようになる訳ではないでしょうが、借主さんの負担が現実的に重いのも確かです。この様な内容がある事を考えて見ては如何でしょうか?
更新料などでも大事になってくるのは大家さんと借主さんの関係です。
大家さんと借主さんをつないでいくサイトがあります。ウチコミ!といいます。お部屋を貸したい大家さんとお部屋を借りたい借主さんがコミュニケーションを直接取ることが出来ます。
是非一度見てください。
この記事を書いた人
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