[連載★ウチコミ!が斬る!!]2.民法改正で敷金の扱いと連帯保証人の保証契約が明確になる
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/27
【敷金についても明文化・定義がされます。】
こちらの敷金についても今までは「定義」がありませんでした。つまり、法律的なよりどころがない事で「独自の解釈・慣習・風習」等が先行して、暗黙の決まりになっていた様な状態でした。この為、地域や場所・大家さんによって扱いもバラバラでした。
この事がどの様に変わるかといいますと・・・
「敷金は、大家さんの家賃などの担保に利用されるもので、借主さんの退去の際に清算金として流用できる」となり大家さん側が、担保として使う事が出来ます。
但し、定義の中では「清算等は認めていますが、借主への返却も義務づけ」となりました。内容について、心配される方もいるかとは思いますが「敷金を強制的に返却」という決まりではありません。
敷金を借主さんに返却する際、原状回復や未払い家賃があれば「大家さんの判断」で精算を行う事は出来ます。そして、残りの金額を返却しなければならない・・・。と言う事です。この清算を選択するのも、大家さん側の判断です。
借主さん側から、強制されたり・要望されたりは、影響がありません。この件について「選択権」があるのは、大家さん側です。
そしてもう1点。敷金などを生産する場合、精算の内容は注意が必要です。
滞納分の家賃などがあった場合は何の心配もいりませんが「原状回復」などについては、先ほどのブログ内容を注意する事と、賃貸契約書に記載された内容だけを実施する事を心掛けてください。理由については、先ほどの状況からお分かり頂けると思います。
このように、敷金は公然と認められる事になりました。あとは「礼金」の問題が残ります。こちらは、今しばらく「原状での」推移に任されてしまいそうです。
【連帯保証人の保証契約について変わって来る事】
この「連帯保証人」についても大きく変わって来る事があります。何が変わって来るかといいますと・・・
「連帯保証人が負わなければいけない金額の上限を明記する事」が義務付けとなります。つまり、連帯保証を受ける方は「保証契約の際」に「保証しなければいけない上限金額」の説明を受けて「保証契約」を結ぶことになります。
そして、この上限額は「説明・記載」された金額が保証の上限となります。上限を超える金額が、実際に出たとしても「上限金額」以上の請求もできません。とてもハッキリとした形になります。
チョットわかり易く試算してみましょう。
「1カ月の家賃が5万円」とします。
「1カ月の共益費(管理費)が2,000円」とします。
通常の賃貸契約は、2年間ですので「合計金額=1,248,000円」となります。
但し、賃貸住宅の場合、退去費や補修費・家具などの保管費も必要になる場合があります。上限金額を決めておかないといけませんので、この様な「不測の金額」も予定して合算するしかありません。
その金額を予想して、例えば「退去費・補修費・保管費=500,000円」とします。
総合計=1,748,000円
そうすると、この金額が書かれた「連帯保証の契約」をする事になります。
言葉は悪くなりますが、間違いなく「ビビり」ませんか?
もともと「連帯保証人」というものに対して、連帯保証という切り口よりも「身元保証人」的な取りかたが一般的だったのではないでしょうか?その「身元保証人」の感覚の「連帯保証人」の契約書に、いきなり「200万円」とかの金額が記載されて「実印・印鑑証明書」を請求されると・・・。
現実的に記載された金額が「保証しなければいけない」ものとして考えさせられてしまいます。
当然の結果として、個人が対応する「連帯保証」を受けなくなる可能性が高まるとしか思えません。機能的な部分や、つじつま的な部分では良く出来ている感じはするのですが、一般の個人が主役になっている連帯保証人という部分では、難しさや怖さが「クローズアップ」されてしまっています。
連帯保証人が借主さんの実父で、借主さんは学生さんぐらいのケースでしたら、親御さんの経済力の問題も比較的有利でしょうし、親御さんが自分のお子さんに対する責任なども違うでしょうし、今までとそれ程変わらないと思えますが、親戚のお子さんの保証や兄弟の保証になって来ると、極端に出てしまいそうです。
ここは、大きな違いになってきます。やはり「保証会社」を利用するケースが増えて行きそうですね。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
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