サブリース(一括借上契約)の拡大が空き家増加を及ぼしている
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/23
前回は、サブリース(一括借上契約)の良さ・悪さなどをお話ししましたが、続きの話をします。
【サブリースを取巻く現在の状況】
近年の人口減少、収入の減少、大都市への移転が増加…。こんな状況が顕著になって来ています。これに付随して、空室率の増加、家賃の下落が問題になって来ています。この事から、深刻なのは「都市部よりも郊外型」の賃貸住宅です。
そして、こんな状況にも係らず、一括借上契約というサブリース型の賃貸住宅「アパート・マンション」は増加傾向にあります。説明する状況があるにも関わらず、供給は止まらないのです。
この為、大家さんが不動産会社と契約を結んで、実際の賃貸経営がスタートしても3〜4年程で空室発生が酷くなり空き家となり、不動産会社も大家さんと経営を見直す事が増えている様です。特に、このサブリース契約の見直しのトラブルが急増しています。但し、大家さん側に不満や納得がいかない面があったとしても・・・。
- 代わりにサブリースを受けてくれるような会社など存在しません。
- 大家さんは、自分で全てを出来る訳がありません。
などの理由も手伝って、ほとんどの大家さんが不動産会社の言いなりになっている状況があります。
現在の状況は、現在進行形と言う事を理解しましょう。
- 日本の人口推移は、今後も働き盛りが減少し続ける。
- 日本の経済状況も、好転の兆しはまだまだ不透明。
- 東京オリンピック以降の見通しが良くない。
この状況が加速していく傾向がある為、空家率も加速度的に上がっていく見通しが間違いないのです。
【これからのサブリース? 空き家に対してどう考えて行くのか?】
ここまでお話しして来た事で、皆さんも想像がつくと思います。その通り「空室地獄」、空き家になってしまうでしょう。
一部の「都市部・都市近郊部」や、もともと人気のエリア等は若干の良さは感じるでしょうが、基本的に中間の大事な消費者人口は、減り続けて行くのです。そして、現状ではこの人口の減少を食い止める、改善する方策もできていません。
一方で、何の根拠もない「賃貸住宅の運用収益票」を乱発して「サブリースを推進する」不動産業者たち…。賃貸市場は、今の状態でも「借り手市場」の「空家だらけ」になっているにもかかわらずです。入居者募集をしても、一向に入居者が決まらない。
入居者が決まりそうになって来ても、家賃の値下げ交渉や設備の追加を迫られる。入居者が決まらないで時間が経ってくると、不動産会社から「リフォームの提案」が来る。これは、もちろん不動産業者が「バックマージン」を期待しているだけです。入居者が決まって「胸をなでおろした」ところで、家賃滞納などの問題が起きる。
困ったことに、最近の入居者は「短期間で退去」する確率も高い。退去者が出ると、お部屋のクリーニングや設備の取り換え、改修工事・・・。こんな、まるで負のスパイラルを連想させるような事態が現実です。サブリース(一括借上契約)を優雅になさっている大家さんも、気を付けて下さい。
建物が築10年ぐらいまでは、なんとかやっていけるでしょうが、その先が心配です。サブリースの契約と言うのは、大家さんと不動産会社等の「合意契約」なわけですから、不動産会社等が受けなくなったり、倒産したり…。などと言う事は、起こり得ります。
そうなったら、大家さんは「全てを自分で」行わななければいけなくなります。それも突然。サブリースを全面否定するつもりはありませんが、参入を考える方は「冷静に計画」を立てて「調査」も「研究」もご自身で行わないと危険です。冷静に考えて下さい。「自分の人生をかけた、投資事業」です。
そして、サブリース会社がパートナーに成り得るかは、契約書を吟味すれば分かりますでしょう。
少し、考えて見て下さい。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
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