サブリースとは? 契約書の見直し期間を把握すること
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/22
サブリースという言葉が良く聞かれていますが、中身を説明する事だけではなくその問題点なども何回かに分けてお話しします。今実際に行っている方、現在計画をしている方、検討材料に加えて見て下さい。
【サブリースとは?】
一般の大家さんが「アパート経営のノウハウやアパート管理・入居者募集」このような経験や知識を持っていなくても、不動産会社などが「アパート等の賃貸物件を借り上げて運用」してくれるシステムの事を言っています。簡単に言えば「又貸し・転貸」などといいます。
現在では、このサブリースシステムでは「一括借上げ」という賃貸住宅の建物を丸ごと管理してもらう形態が主流になっています。
【サブリースの契約内容・形態・条件など】
サブリースで行われているシステムは、一見すると大家さんに有利に見えるものが多いでしょう。しかし、実際に取られている契約書の「契約内容」や「契約条件」を良く確認してください。
≪サブリースの条件≫
1 一括借上げの基本条件として、建物(賃貸物件)の建築がある。
原則として、中古の建物や現在すでに運用中の「マンション・アパート」などは対象外にされています。一括借上げを行う場合10年単位での長期の契約を結ぶ上、空室の有無に関係なく家賃を保証する為に建築費等の膨大な利益も取る為です。
簡単に言えば、家賃収入だけではサブリースのシステムは機能できない事が見えてきます。一括借上げを行う不動産会社側も、入居者募集の経費や人件費、賃貸物件の管理にかかる人件費や経費など負担しなければいけない費用も膨大です。
もちろん、建物の管理の担当業者や建物自体の仕様などは、依頼する不動産業者の決まりに従う必要があり発生する「補修費用や改修費用」も契約する大家さんが負担する事が普通です。簡単には引き受けられない内容があるという事です。
2 契約を結ぶ際も、大家さんが受取れる家賃の減額が発生する事がある。
契約を結ぶ際には、家賃の収支・収入については「かなりいい数字」で説明があります。契約の期間についても「30年一括借上げ」なんて宣伝も記憶にあるかと思いますが、実情は長い期間でも10年〜15年が主流になっています。
冷静に見て頂きたいのですが、株式会社などの会社の存続率を見て頂いても、創業から10年で約95%の会社がなくなっています。その実情からすると、非常に難しい一面がご理解頂けるのではないでしょうか?
そして、家賃収入についても「一括借上げ」する不動産会社は、賃貸住宅の実際の家賃の約10%〜15%の料金を取ったうえでの大家さんへの支払いになります。入居状況の悪化や家賃の減額等が発生してきた場合、大家さんに支払われる家賃も減額される場合があります。
契約書にも、実際はこの様な不測の事態に備える「条文」などが、しっかりと記載されています。契約書の中には、5年ごとに「大家さんに渡す家賃など」を見直す契約になっているケースも多いです。ですので、大家さんが受取れる家賃などは、必ずしも長期間定額ではありません。
※ 以上の様な制約もあります。
もちろん、メリットも幾つかあります。大家さんが賃貸住宅の企画をする必要もありません。
入居者を募集する手間、空き住戸を心配する必要もなく、賃貸住宅で起きる多種多様な問題にも気苦労はなく賃貸住宅の建物「アパート・マンション」を管理する手間もいりません。この辺りの事は、不動産会社が「提案」の時に散々宣伝して来ると思います。
ただ、見て頂いた通り、内容を良く見ていないと分からない事も沢山あります。これで「依頼した不動産会社がサブリース契約をやめてしまったり・倒産」したらどうしますか?心配な話ばかりですが、理解しておかないと「完全・万全」なんて存在しません。
次回は、現状や取り巻く状況、これからのサブリースについてお話しします。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
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