修繕積立金・管理費の相場とは?中古マンションと新築マンションの違い
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/15
修繕積立金とは、分譲マンションなどの建物を維持管理(改修・補修)する為の費用です。基本的に、日々の清掃や管理人さんの費用、エレベーターの保守管理などは「管理費」から当てられます。
修繕積立金は、もっと重要な・長い期間に渡る「保守・管理・補修」を目的に使われるものです。マンション自体は、建物が「鉄筋コンクリート」などで作られている為「改修や補修」に時間とお金がかかります。
対象となる部分は、マンションの廊下・建物の躯体部分・共用の部分などの住宅部分以外です。この様な共用部分などを定期的に、良好に管理をする事がマンションの価値の維持・建物の寿命の維持に大きな役割を持っています。
しかし、一度に大きな負担は難しいので、毎月、少額づつ回収し貯蓄する方法しかありません。このお金が、修繕積立金です。新築の時からずっと積立を続けてきます。
この集まったお金をどの様に使うかは、マンションの所有者全員の「管理総会等」で話し合われて決定していきます。修繕積立金は、原則として大体10年前後ぐらいで「大規模修繕工事」に使われることが多いです。
ただ、新築マンションの販売を促進する為に、初期から計画的に「長期修繕計画」を決定して修繕積立金を集金しているしっかりとしたマンションは、残念ながら非常に少ないです。新築の時点から「長期修繕計画」が出来ているマンションですと、新築時点から修繕積立金の月額は「約20,000円」以上かかるのが普通です。(マンションの規模や設備の内容にもよります。)
現在、販売されている90%以上のマンションが「修繕積立金額:10,000円/月 以下」がほとんどです。では、その差額がどうなるのかといいますと・・・
- 新築時は「5,000円〜9,000円」ぐらいで割安感をアピールする。
- その後は何の計画も無く、ただ「修繕積立金」を貯金しつづける。
- 約10年程立った時点で、管理会社などから「大規模修繕」の提案を受ける。
- すると、ほとんどのマンションが費用不足(積立金の不足)に気が付く。
- 仕方がないので、金融機関などから不足額の借入を行う。
- ほとんどのケースが「銀行への返済の為、修繕積立金を約10,000円以上値上げする」
※ こんな事になるのが、ほとんどです。
これ、最初から「長期修繕計画」を実施・実践していたら良かっただけの話です。
それ以外に心配なのは、金融機関から借り入れた金利分も負担している事と、費用がかさみ過ぎた為に場合によっては、工事の幾つかを「先延ばし」している事が多い・・・。これは、大問題です。
本当は、その時に実施しなければいけない工事を先延ばししているのですから・・・。
こんな、怖い側面もあります。
このような実情もありますので、中古のマンションを購入する際に「最初の大規模修繕が予定」されているマンションは、その時の「修繕積立金」が安い事だけで飛びつくと、かなり危険な事が予想されます。急激な「修繕積立金」の値上がりは、その方を経済的に圧迫する事があります。
それに対して、築年数が20年以上たっている様なマンションの場合、上記の様な心配からは解放されます。但し、先ほど説明した様に「改修工事の先延ばし」や「管理上の無理」や「多額の借入」が影響しているような場合管理の状況やマンションの状況、借入の負担など、しっかりと確認して頂きたく思います。
たかが「修繕積立金」と思いがちですが、影響は色んな所にでてきます。しっかりと、確認してください。
貸主も借主も気持ちよく良い関係を作りたいものです。
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この記事を書いた人
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